田舎で不動産やマンションを売却する時の特別な事情と注意点をまとめ | 鯨鑑定士の不動産売却・投資
田舎で不動産やマンションを売却する時の特別な事情と注意点をまとめ

田舎で不動産やマンションを売却する時の特別な事情と注意点をまとめ

2020.10.29

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住宅供給過多、都市部の一極集中が進む昨今、田舎にある住宅やマンションが売却しづらい状態が続いています。

一般的な不動産売却は売り出してから3ヶ月程度で買い手が見つかりますが、田舎不動産の場合は1年以上かかることも少なくありません。
売り出してから何年も経っているのに一向に買い手が見つからず、途方に暮れてしまっている方もいらっしゃるでしょう。

都会に比べて極端に需要が少なく、建築や活用に制限があることの多い田舎の不動産、どうしたら売れるの?と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

田舎の不動産売却を成功させるためには、田舎ならではの不動産事情やリスクを知り、それを踏まえた対策を講じる必要があります。

そこで今回は、田舎にある不動産の売却について詳しく解説していきます。
田舎の不動産にありがちな知っておきたい田舎ならではの不動産需要、そしてその二つを掛け合わせることで生じる売却の特別な事情と注意点についても詳しくご紹介して参ります。

こざかな生徒
こざかな生徒

田舎に行くと、売出し中の看板が何年も立ったままの空き家をよく見かけます。

売り出しても買い手はおろか、内覧希望者すら現れないというのはよく聞く話。
確かに、極端に需要が少ない田舎不動産の売却は簡単ではありません。
都会や都市部で行われる一般的な不動産売却にはない、特別な売却事情というのも存在します。

クジラ先生
クジラ先生

田舎にある不動産が売れない理由

田舎の不動産がなぜ売れにくいのか、その理由になんとなく察しがついている方も多いでしょう。
都心部に比べれば大幅に割安な価格で手に入れられる田舎の不動産ですが、それでもなかなか売れません。

その大きな要因は、買い手にアピールできる魅力的な要素が少なく、需要自体が少ないからだと考えられます。
都市部からのアクセス性が悪ければ、生活面で不便が生じやすくなります。
人の利用が見込めない地域に店舗を置いても売り上げが見込めず採算が取れないため、店舗自体ができません。

生活する上で欠かせないお店が十分に揃っていなければ、若者はおろか、子育て世帯も、高齢者世帯、全ての世帯にとって住みよい街とは言えません。
住みにくい街に敢えて身を置こうとする人は多くなく、次第に人口も減少していきます。

人口が減ればその地域の利便性は更に失われる。

人口が少ない=生活利便性に劣るという悪循環が出来てしまっているのです。

買い手に魅力的にアピールできる要素が少ないこと、これには田舎ならではの特別な事情も大きく関係しています。
ここからは田舎不動産が売却しづらいと言われる下記9の理由について、具体的にご紹介して参ります。

  • インフラ整備が遅れている
  • 市街化調整区域等の規制がある
  • 近隣に公共施設がない
  • 土地、家が広すぎる
  • 田舎ならではのコミュニティが面倒
  • 建物の老朽化が進んでいる
  • 開発コストがかかる
  • 資産としての価値が残りにくい
  • 不動産会社の数が少ない

インフラ整備が遅れている

最低限の生活をする上で欠かせないインフラ。

インフラといえばガスや電気、上下水道等のライフラインを思い浮かべるでしょう。
特に下水道が整備されていないところが多く、その場合は敷地内に合併浄化槽を設置する必要があります。
売却する際にそれらが設置されていなければ、新たに設備工事費が必要となるため、買主の金銭的負担が大きくなってしまうでしょう。

また、インターネット回線が整っていないところが多くあります。
情報社会となった現代では、インターネット回線はライフラインと同等に重要なもの。
暮らす街が田舎でも、都心部と同等の情報さえ得られれば田舎暮らしにそれほど不自由を感じない人も多くいます。

電気や下水道を一から引くよりもコストや手間はかからないとはいえ、設置しても電波状態が悪いことが最大のネックとなり、リモートワーク等で田舎暮らしをする人たちには大きな弊害となってしまうようです。

市街化調整区域等の規制がある

市街化調整区域とは市街化を制限するエリアのことです。

農地等の減少を防ぐために規制が設けられているもので、その多くは市街化が進んでいない地方の森林や農地に指定されています。
この規制が敷かれた区域は厳しい条件を満たさなければ新たに住宅を建築することができません。

例えば、農業従事者であること、既存指定集落地域に指定されていることなど、自治体によって異なる厳しい条件をクリアしていなければならないのです。

市街化が抑制されているためライフライン等のインフラ設備が整っていないケースも多く、生活する上で大変不便な環境となるでしょう。
市街化調整区域に指定されている不動産は割安価格で販売されていますが、その規制の多さから買い手が見つかりにくいのが現状です。

近隣に公共施設がない

冒頭でもお伝えした通り、人口と生活利便性は比例するのが通常です。

人口の多い都市部は利用者を見込んで店舗が充実するため、生活利便性が向上します。
そして利便性を求めた人々が新たに暮らしはじめ、街の人口が増える、その結果街の充実度がより向上していきます。

田舎の場合、都心部と全く逆の現象が起こっているのです。
学校が遠くて通学に不便だったり、駅が遠く主要駅へのアクセス性が悪ければ通学通勤圏内からも外れてしまうでしょう。
スーパーやコンビニ、銀行、商業施設、そして病院も少なく、遠い。

こういった公共施設の不便さが原因で、その街を離れる決断をする人も少なくありません。

土地、家が広すぎる

地方や田舎にある不動産は、都心部に比べて土地も家も広いのが特徴的です。
核家族化やコンパクトな暮らしが浸透してきた今では、広すぎると感じてしまう方も多いでしょう。
安いのに広いならいいのでは?と思われるかもしれませんが、土地が広ければその分、維持管理費用も高くなります

住宅が広すぎるだけなら解体して立て直すことも出来ますが、土地自体が広ければ、新しく建築する際の整備費用や外構工事費も高くつきます。

毎年かかる固定資産税の負担も大きくなるでしょう。

田舎ならではのコミュニティが面倒

都心部と地方、そして田舎では、コミュニティや近所付き合いのあり方が違います。
一時期大きな注目と期待を集めた田舎暮らしですが、移住者が増えるとともにその実情も多く聞かれるようになりました。
事実、特に都心部から移り住んだ多くの人は、田舎ならではのコミュニティにいろいろな思いを抱いたようです。

良くも悪くも、田舎のコミュニティは濃いもの。

不便さの残る地域では、ご近所との協力によってそれを解消したり、トラブルに対処していくことで信頼関係が生まれ、暮らしが豊かになります。
それに馴染めるか、それを当たり前と思って暮らせるかは、暮らしの充実度に大きく関与します。 

建物の老朽化が進んでいる

田舎にある不動産の多くは、親や親戚から相続し、代々受け継がれてきたものが多く、建物自体が圧倒的に古いのが特徴的です。
長く居住していない空き家だった場合は手入れがされておらず、外観や内装に劣化が目立ち、修繕を必要とする場合も少なくありません。

また同時に、1981年以前に建築された新耐震基準を満たしていない住宅もあり、その場合は安全性も不十分な状態です。

老朽化が進んだ住宅に住む場合、リフォームや修繕等の手を掛ける必要があり、それには多額の費用がかかります。
田舎暮らしを望む人はリノベ込みで購入するのでは?とイメージしてしまいますが、リノベ前提で購入するにしても、それは暮らしながら自分好みに改装してくのであって、住める状態ではない家に暮らすことはできません。
できるだけ完成形に近い方がリノベ費用も少なくて済む上、安全上の問題が生じにくくなります。

開発コストがかかる

売却する不動産が土地で、尚且つこれまで未管理だったところに新たに住居を建築するとなった場合は、整備開発コストがかかってしまいます。
整備費用や樹木の撤去費用などが必要となるのです。

管理されていなかった期間が長ければ長いほどその費用は大きくなるでしょう。
売主と買主、どちらがその費用を支払うかは売買契約時の交渉次第となりますが、いずれにせよ整備開発費用が売却代金に影響することになります。

また、未管理の土地の場合はインフラが整っていないことが多いため、購入後に何らかの形で活用する場合、買主はその分の費用も負担しなければなりません。

資産としての価値が残りにくい

住宅やマンションなどの不動産は、家族にとっての住み心地も大切ですが、資産としての側面も持っています。

例えば、同じ5000万円で購入した家でも、土地1000万円建築費用4000万円の家と、土地3000万円建築費用2000万円の家を比べれば、後者の方が資産価値は高い家と言えます。

不動産を資産の一つとして考えたとき、都心部や利便性の高い地域にある土地や住居は資産価値として十分といえるでしょう。

しかし、田舎不動産の場合は、将来、資産としてどのくらいの価値が残るかが予測できません。
不動産の中で最も資産価値の下落率が高いのは田舎の豪邸だとも言われており、どんなにお金をかけて建てたとしても30年後にはその資産価値がゼロになっているかもしれないのです。

不動産を資産の観点から見たとき、都心部と比較すると田舎はマイナスイメージを持たれてしまうのです。

不動産会社の数が少ない

田舎不動産が売れにくいのは不動産会社が少ないから、そう考える人は少ないでしょう。
しかし、これは売却が成功するか失敗するかを決める大きな要因となります。

不動産の数、そして需要が少ない地方や田舎では、都心部に比べて圧倒的に少なくなります。
売却に対応できるところが見つかったとしても1社か2社というのもよくある話で、売主に選択の余地はありません

また、不動産会社が売却の仲介をして得られる利益は仲介手数料のみ。
売却代金の3%の仲介手数料を得るために、広告宣伝費をかけて販売活動を行うのですが、売却代金が安くなる田舎不動産の場合、不動産会社の利益も少なくなってしまいます。

売買契約が成立しても得られる利益の少ない格安物件の場合は、積極的な売却活動が期待できず、その結果買主も見つかりにくくなってしまうのです。

田舎にある不動産が売れない理由
こざかな生徒
こざかな生徒

条件が悪すぎて売れるのか不安になってきました。

田舎不動産は通常不動産と同じ売り方では買い手がなかなか見つかりません。
不動産が持つデメリットやリスクを知り、それ以上のアピールポイントを探したり、相応の価格で売り出すことで買い手が見つかりやすくなります。
それに、田舎には田舎ならではの需要があるのですよ。
特に近年は田舎であること自体が付加価値とされるため、上手な売り出し方さえできれば、売却成功の確率は高まります。

クジラ先生
クジラ先生

田舎にある不動産の隠れた需要と売り方のコツ

不動産の売却は買い手が居なければ成り立ちません。
田舎不動産は買い手の需要が少なく、アピールできる要素も少ない。
これは都市部に比べればという話であり、田舎不動産はマイナス面しかないというわけではありません。

田舎には田舎ならではの需要というものがあるのです。

売却を成功させる為には、田舎特有の一定需要を把握し、ニーズに合わせた売却手法をとることが大切です。
この項目では、田舎にある不動産の隠れた需要と売り方のコツについて詳しくみていきましょう。

近隣住民の用途

田舎不動産の売却において、最も現実的な買い手になると想定されるのは近隣住民です。

近隣住民にとっては土地を購入することで面積を広げられるため、用途を多様化することができます。

農業従事者の場合はより大きな面積を確保できることによって事業拡大も出来るため、地域によっては大きな需要が見込めるでしょう。

また、田舎の地域では同族同士が近隣に住むことが多いのも特徴的です。
今は用途が無いけれど、将来的に子や親類の居住地にしようと考え、購入するケースも多く見受けられます。

このようなケースでは、不動産をどのような状態にするかが売却の要となります。
取り壊して更地にするのか、または買い手はそのままの状態で購入して修繕やリフォームを施すのか。

譲渡の条件を十分に話し合い、取り壊し費用や修繕費用を価格にどう反映させるかを決定する必要があります。

医療や福祉施設

少子高齢化によって爆発的な需要の高まりを見せている医療や福祉施設
将来的に安定した収益が見込めるとして、全国的に注目を集めている土地活用方法でもあります。
ご存知の通り、既存の施設数は需要に全く足りておらず、各地域で建設ラッシュとなっているのですが、地方や田舎もその一つです。

当初は利便性の高い都市部に建設されていましたが、現在は広大な土地と自然豊かな環境を求めて郊外や田舎の土地需要が増えています。
そういった施設ができれば雇用が生まれ、サービススタッフの施設や利用者のための店舗開発なども期待できるでしょう。

医療や福祉施設の開発事業者なら居住用住宅を残したままの土地でもまとめて買い取ってくれるため、売主にとって良い条件で売却できる可能性が高まります。

事業関連企業との連携が強く、店舗開発を多く手掛ける大手不動産会社に仲介を依頼することで、買い手が見つかる可能性が高まるでしょう。

太陽光発電

高層の建物が少ない田舎の地域は日当たりが良好なため、太陽光発電事業用地として大変優れています。
固定価格買取り制度の終了が近づき下火になるとの声も多く聞かれますが、再生可能エネルギーの需要が今後より高まっていくことは変わりありません。

都心部に比べ近隣住民へ影響も少なく、また広大な土地を確保できる田舎なら、エネルギー事業者などからのニーズはより期待できることでしょう。
広すぎて住宅地には向かない田舎不動産でも、このような活用方法であればデメリットがメリットへ変わります。

建物が老朽化しているのであれば取り壊し、建物+土地ではなく、広大な更地として売り出すと良いでしょう。
対象不動産の周囲に住宅が無く、広く平坦な土地であれば、エネルギー事業者等への売却できる期待が高まります。

太陽光発電事業者に土地を売却するとどんなメリットがあるの?

アクティビティや田舎体験

インバウンドで国内の主要都市に外国人観光客が訪れる中、日本人が行く観光地というのに変化が出てきています。

近頃は地方や田舎に訪れる日本人観光客が増加しているのです。

例えば、田舎ならではの生活や暮らしを体験したり、自然を満喫できるアクティビティなど、田舎ならではの体験型イベント
稲や野菜の植え付けや収穫、地引網、料理体験などその土地の風土や地域性を経験することで、都会では体験できない星空や川の音、人との触れ合いを体感でき、癒しに繋がる、特別な時間になるという魅力があるといいます。

広大な土地を活かした野外型アクティビティやキャンプ場も賑わいを見せるなど、田舎の観光需要が高まっています。
こうした観光事業に着目し、いわゆる田舎体験住宅や活用できる土地を求める事業者も多くなってきています。

通常の不動産売却ではデメリットとなる築古物件ですが、例えば藁葺き屋根や純日本建築など、伝統的な建築様式を残す建物であれば、活用次第でその価値は高まります。

ビジネス物件としてとらえ、取り壊しやリノベーションをせず、里山古民家でのイベントやワークショップを行う団体やNPO法人、自治体とのマッチングを目指すと良いでしょう。

古民家カフェ・ベーカリー

一時、都心部では古民家を改装した古民家カフェやベーカリショップが話題となりました。
しかし最近は、田舎風ではなく、実際に田舎で営業しているお店に出向く人たちが増えています

田舎の観光需要にも通じるものですが、田舎ならではの雰囲気や味こそが映えるポイントであり、そこに行くことに価値を見出す人が増えているのです。

田舎の不動産なら土地も住宅も広いので設備等を設置しやすく、居抜き物件を買って少し改装するだけで、こじんまりとした趣のある店舗の出店が可能です。
周辺に同じような店が増えると地域全体に人が集まりやすくなるため、駐車場や民泊、他の店舗の需要も増えていくことになるでしょう。

田舎不動産を活用してカフェやベーカリーを展開しようと考える人にとっては、やはり田舎ならではの初期投資の安さが魅力となります。
全く手の入れられていない空き家よりも、インフラ整備の整った不動産の方が魅力的に感じるでしょう。

対象不動産の近辺に古民家を活用した店舗がある場合はチャンスとなりますので、移住者支援を行う自治体から電気・インターネット回線整備の協力をあおぎましょう。

田舎には田舎ならではの需要がある

大切なのは、地域の性質を見抜くこと。
土地やエリアに合った需要を見極められれば、より良い条件での売却も夢ではありません。
自治体や企業、団体の活動をチェックするなど、アンテナを高くしておきましょう!

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

売主自身が地域の情報を細かくチェックすることが大切ですね。

売却するときの注意点

買い手需要の少ない田舎不動産でも、一定需要が見込めるのがお分かりいただけたでしょう。

ただ、売却の際にはいくつかの点に注意する必要があります。
冒頭でお伝えした田舎不動産の特別な事情と田舎ならではの一定需要を掛け合わせると、売却リスクが高まる可能性があるからです。
十分な対策をしないまま安易に取引を行うと、売買トラブルの原因となったり、売主が大きな損失を被ることになるかもしれません。

そのため、下記3つの点に注意しましょう。

  • 個人間売買は専門家に相談すること
  • 契約不適合責任には要注意
  • 空き家売却時の特例について理解すること

なぜこの3点に注意が必要なのか、対策法と合わせて詳しくご説明します。

個人間売買は専門家に相談すること

田舎不動産の需要で最も多く想定されるのが、近隣住民の用途であるとお伝えしました。
近隣住民に不動産を売却するとなった場合、おそらく顔見知りだったり、これまで近所付き合いをしてきた関係である可能性が高いでしょう。

また、○○万円なら買ってもいいという価格交渉を個人間で行っている場合も多く、多くのケースでは相場よりも割安価格で取引されると想定されます。
このケースの取引は、手間とコストを抑えるために売主と近隣住民間での個人間取引が行われるのがほとんどです。

しかし、個人間売買には大きなリスクが伴います。

不動産会社が仲介に入った場合、売買の手続きにおける重要事項説明を行います。

重要事項説明とは、契約を結ぶ前に宅建取引士の捺印のある書類を用いて、対面で物件状況の説明を行う、法律で義務化された行為のことです。

説明の中では、不動産の権利関係や土地の用途制限の調査結果報告、設備の状況や取引条件についての説明がなされます。
なぜ重要事項説明が行われるのかというと、契約前に不明点や不具合を洗い出し、買主と売主双方に注意を促すため
解決できることは解決し、問題があれば条件の変更を行ったりして、わだかまりの無い状態で契約と引き渡しすることを目的としています。

これを省略して売買することは大きなリスクとなるのですが、個人間売買であれば義務化されていないため行われないことがほとんどです。
個人間売買では現況確認も甘くなりやすいため、例えばエアコンは付帯されるもの買主が思っていても、引渡し日には撤去されていたことが原因でトラブルに発展するケースも少なくありません。

不動産売却トラブルBEST3

相場よりも割安な取引価格であっても、不動産売却では大きなお金が動くもの。
売主と買主が納得できる公平な取引を行うためには、専門家のサポートが欠かせません。

個人間の売買は専門家に相談を

近隣住民との個人間取引を行う場合でも、必ず不動産会社等に仲介を依頼するなど専門家を介して契約を結ぶことが大切です。

瑕疵担保責任には要注意

契約不適合責任とは、取引対象となる不動産に瑕疵(雨漏りやシロアリなど品質上の欠陥)が認められた場合、その欠陥に対する責任を売主が負うことです。
これは、不動産売却をする売主にとって最大のリスクであるとも言われています。

契約不適合責任とは?

なぜなら引渡し後であっても欠陥を補償せねばならず、場合によっては遡って契約解除される可能性があるからです。

2020年4月の民法改正により瑕疵担保責任から契約不適合責任という名称に代わっており、担保責任の内容も厳しくなっています。

下記の表は、改正前の瑕疵担保責任と改正後の契約不適合責任の内容を比較したものです。

項目瑕疵担保責任(改正前)契約不適合責任(改正後)
修理・代替物等の請求×
損害賠償
代金減額

改正前の瑕疵担保責任では、隠れた瑕疵がある場合のみ、買主は売主に対して損害賠償請求や契約解除を求められましたが、修理・代替物等の請求や代金減額はできませんでした。

しかし、改正された契約不適合責任では契約の内容に適合しない場合に補修や代替物等の追完請求ができるうえ、代金減額請求も可能とされています。

別途、損害賠償請求も認められますし、不適合内容が軽微である場合を除いて契約解除もできます。

要は、売主が負う責任がより一層厳しいものになったということです。

田舎不動産は建物の老朽化が進んでいるケースも多く、このような責任を問われる可能性を否定できません。
相続した物件や長く空き家となっていた住宅の場合は、売主の知り得ない欠陥や劣化が生じていると考えられます。

中古物件の売却では契約不適合責任に対するリスクヘッジした方が良いと言われていますが、田舎不動産の場合は必ず対策を講じるべきでしょう。

民法による契約不適合は強行法規ではありませんので、売主が個人の場合は期間短縮あるいは免責にすることが可能となります。
物件引き渡しから3ヶ月間の間は売主が責任を負う、売主は責任を負わないなど、自由に取り決めることができるのです。

契約不適合責任について短縮、あるいは免責を行う場合は売り主と買主双方の合意が必要となりますので、売買契約を結ぶ前に話し合いを行いましょう。
できれば早い段階から仲介をする不動産会社に対してその旨を伝えておくことで、より合意を得やすくなります。

合意が得られた場合は売買契約書に特約として明記することも忘れないように気を付けましょう。

空き家売却時の特例について理解すること

中古住宅の流通量増を目標とした制度改革が行われたことにより、不動産売却時に節税効果を得られる特例制度が設けられています。
田舎に多い空き家の売却にもこの制度が適用されるため、売却益が発生した場合でも所得税や住民税等の各種税金を支払わなくてよくなります。

空き家売却の特例は各種特例の中でも格段に節税効果の大きいものとなるため、この控除を期待して売却手続きを行う方も多いでしょう。
しかし、この特例には厳しい適用条件が設定されていることを理解しておかなければなりません。

空き家3000万円特例の適用条件

1居住用家屋であったこと
2一人暮らしであったこと
3昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
4区分所有建築物(マンション)以外であること
5相続してから譲渡するまで空き家であること
6相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること

ポイントは3つ、昭和56年5月31日以前に建築された建物、マンションには適用されない、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であることという点です。

昭和56年5月31日以前に建築された建物は現行の耐震基準を満たしていない、つまり倒壊の危険性がある建物ということになります。
国は危険な空き家を撲滅したいという意図があるため、この要件で線引きを行っているのです。

また、マンションには空き家の特例は適用されません
管理組合によって管理修繕が行われているほか、耐火建築物ということもあり、倒壊や放火の危険性が低いと判断されているためです。

相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること、これは要するに対象物件が空き家になってから3年後の年末までに売却をしなければならないということです。
申し上げた通り、国は危険な空き家を減らすことを目的としており、この空き家特例もその目的のために設けられたもの。
空き家になってから時間が経過するほど住宅の危険性は増すため、このような売却期限が設定されているのです。

空き家の売却で3000万円特別控除を受けるためには、早期売却ができる売却方法を探す必要があるでしょう。

こざかな生徒
こざかな生徒

田舎不動産ならではの事情を考慮して、リスクヘッジすることが大切ですね!

都心部に比べて不便さが目立つ田舎ですが、田舎ならではの需要も存在します。
対象不動産ならではの魅力を見極めたり、近辺で開発の動きが無いか、事業者等の動きもよく確認することで、最適な売却ができるでしょう。

クジラ先生
クジラ先生

まとめ

ここまで、田舎の不動産売却についてお伝えしてきました。
田舎の不動産は一般的な不動産売却のように、ただ売り出しているだけではなかなか買い手が見つかりません
買い手自体が極端に少ない上、インフラ整備の遅れや生活利便性の低さ、コミュニティの濃さなどの地域性、そして資産価値の将来性の不透明さなど、魅力的な要素が少ないためです。

しかしながら、田舎ならではの需要というのも存在します。
コミュニティが濃密だからこそ近隣住民用途となったり、広く平坦な土地に着目して事業を行う企業も増えています。
また近頃は、広大な土地、自然の豊かさ、古さの中に残る趣、地域の風土や慣習を体験することが癒しや経験に繋がるとして、田舎の価値が見直されているのです。

これら一定需要に上手く入り込むことができれば、買い手の見つかりにくい田舎不動産でも売却できる確率が高まるかもしれません。
周辺環境の変化や不動産の魅力を見極めること、集客力や開発力のある不動産会社や団体、企業に相談することが大切です。

特殊な環境ゆえ、売却には田舎ならではの特別な事情があります。
個人間売買は専門家に仲介を依頼すること、契約不適合責任の特約、空き家売却時の特例要件の確認は慎重に行いましょう。

田舎で不動産やマンションを売却する時の特別な事情と注意点をまとめ
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