古家なら土地(更地)がいい?家の取り壊し解体費用と税務上や注意点 | 鯨鑑定士の不動産売却

古家なら土地(更地)がいい?家の取り壊し解体費用と税務上や注意点

2020.10.1

2020.10.1

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古家が残っている土地の場合、更地にして売却するか古家付きで売るかと言う問題は、永遠のテーマです。
どちらを選んでもメリットとデメリットがあります。

古家を残す場合ですと、解体費用の負担から逃れられますし、土地を探している人と中古物件を探している人両方の層にアピールできます。
一方で更地にする場合は、契約不適合責任のリスク回避ができます。
またすぐに住宅建築などを開始できるため、土地を探している層からの印象が良いです。

不動産の売却には契約不適合責任を問われるケースもある

単純に売却時の条件だけで比較できれば良いのですが、どちらを選ぶかによって支払う税金が変わる可能性があります。
よって古家を残すか更地にして売却するか決める場合には、税金面の負担まで考慮して判断しなければなりません。

解体費用及び税金がどうなるのかを踏まえたうえで、どちらにすべきか考えていきましょう。

古家付きと更地のどちらが有利?解体すべきかどうかの判断基準

古家付きと更地のどちらが有利か考えるにあたり、まずはどちらを選べばどうなるのか知っておく必要があります。
その理由として、条件次第ではそもそも片方しか選択肢がない可能性があるからです。

また両方を選択肢にできる場合でも、単純にその場の金銭面を考えるだけではなく総合的に判断しなければなりません。
すぐに売却できるとは限らないわけですから、長いスパンを踏まえたうえでお得になる方を選ぶべきでしょう。

解体すべきかどうかの判断基準に関して、見ていきましょう。

古家付きで売るメリット

古家付きの場合、買主目線で考えると、購入後すぐに居住することができません。
解体やリフォームなどが必要になるため、更地での販売と比べると使いにくいことは間違いないでしょう。

ただし売主からすると、解体における手間暇をかけずに済むという利点があります。
また古家が付いている方が、より多くの層に興味を持ってもらいやすいというメリットもあるでしょう。

両者についてもう少し深堀して考えてみましょう。

解体の手間がかからない

解体せずに古家付きで売る場合は、解体におけるさまざまな負担を負わずに済みます。
まずは費用面における負担です。
この後詳しくご紹介しますが、解体費用は安くても100万円程度は覚悟しておかなければなりません。

売却後に新居へ移り住むことを検討している場合など、余計な出費はなるべく控えたいはずです。
古家付きで売り出せば、解体費用は買主負担にできるため、解体における金銭面の問題に悩まなくて済むでしょう。

また解体をおこなう場合には、解体業者探しなど、労力の負担も余儀なくされます。
解体費用の見積りに立ち会うなど、時間もかかってしまうため、そういった大変さも考慮しておく必要があります。

売却時の忙しい最中、解体に関する手間まで負うのは大変ですから、そういった煩わしさから解放されるのがメリットでしょう。

多くの層に不動産をアピールできる

古家を残しておくことで、中古物件を探している人と土地を探している人の両方にアピールできます

建物が残っていても、古家付き土地として売り出せば、古家が残っているマイナス面があまり気になりません。
両方の層にアピールできるということは、それだけターゲットを広げられるということです。
不動産を高値で売却するためには、買い手の競争が激化した方が売主に有利です。

そのためにはやはり売り手市場になるように、古家を残しておくのは現実的な選択肢でしょう。

ただし売却値の設定は高くなりすぎないよう注意が必要です

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

それはなぜですか?

土地購入希望の買主は、解体費用も踏まえたうえで選ぶからです。解体費用捻出の負担が生じるため、高すぎる不動産は選択肢から除外されてしまいます

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

解体費用の金額を差し引いて売り出した方が良い、ということですね!

更地にするメリット

古家を残しておくメリットが分かったところで、次は更地にしてしまうメリットを見ていきましょう。

土地を探している人にとって、古家が残っている土地は正直買いにくいです。
ほぼ条件が一緒の更地がある場合、解体やリフォームの手間がない分そちらの方に魅力を感じてしまうでしょう。

古家付きは中古物件を探している層もターゲットにできる一方で、土地を探している層を取りこぼしてしまう可能性が出てきます。
更地にしてしまえば、土地を探している層の優先順位を上げられるというメリットが生まれます。

すぐに売却出来るなら更地の方がメリットが多い

また管理負担や契約不適合責任のリスク軽減にも繋がります。

管理の負担がなくなる

更地にするメリットとして、管理負担の軽減があげられます。
不動産を売却するにあたって、必ずしもすぐに売れるとは限りません。
古家が残っていると、売れるまでの間ずっと管理し続ける必要性が生じます。
住宅のメンテナンスはもちろんのこと、雑草の処分など少なからず労働力をかけることになるでしょう。

実際に住んでいれば大した問題ではないかもしれませんが、相続などで譲り受けた家ですと、現在は離れた場所に住んでいる場合もあります。
遠く離れた場所の古家を管理するのは、簡単なことではありません。

放置すればよいと考えるかもしれませんが、状態が著しく悪くなると特定空き家に指定される危険が生じます。

特定空き家に指定されてしまうと行政の指導が入るなど、さまざま点において不利益です。
よってそうなる前に古家をなくすのは、リスク回避にもなります。

契約不適合責任のリスクが軽減される

売主は買主に対して契約不適合責任を負わなければならないことが、法律で定められています。
契約不適合責任とは、引き渡した不動産と契約の内容が異なる場合、買主が責任を追及できるというものです。
よって万一不動産に不具合があった場合、買主から損害賠償請求されるリスクを負います。

要は買い手側を保護するための法律ですから、売り手側にとっては不利なものです。

古家が残っている場合、当然古家に対する契約不適合責任を追求される可能性があります。
古家と言うくらいですから、状態はあまり良くないはずです。
状態が良くないほど、契約不適合責任が発生するリスクは高まります

更地にしてしまえば、責任は土地に対してのみです。
土壌汚染や障害物が見つかるなど、よほどのことがない限り契約不適合責任が生じるような状態は生じにくいです。

よって古家が残ってる場合と比べると、契約不適合責任を負うリスクはだいぶ軽減されます。

解体費用はどのくらいかかるの?

解体費用は一律ではありません。
物件によって費用は変わってきますが、費用を決める要因の一つは広さです。
坪単価もしくは1m2あたりの金額を定めている業者が多いため、単純に広ければ広いほど金額は高くなります。

また解体費用を決めるもう一つの基本要因として、物件の構造があげられます。
比較的取り壊しやすい木造でしたらリーズナブルに抑えることができる一方、鉄筋コンクリート造など地下躯体が埋め込まれている構造は金額が高いです。
広さと面積における、おおまかな金額の目安を、以下の表に記載します。

項目坪単価30坪の場合における解体費用
木造4~5万円120万円~150万円
鉄骨造6~7万円180万円~210万円
鉄筋コンクリート造7~10万円210万円~300万円

他にも時期的な要因も少なからず絡んできます。
解体費用は業者が自由に設定できるため、忙しい時期などは金額が高くなる可能性が高いです。
特に3月は新生活に向けて解体依頼が増える時期でもありますので、なるべく避けるのが無難な時期でしょう。

金額が変動する要因として、中間マージンの発生も大きなポイントです。
新築を依頼するハウスメーカーなどを経由すると、中間マージンが発生するため高くなりがちです。

よって解体業者に直接依頼した方が、費用は抑えられます。

ケースバイケースのため見積りが必要

上述のように家の解体は広さや構造などさまざまな要因が絡んでくるため、費用に関してはケースバイケースです。

隣の家が近い場合や、重機の進入が難しい場合など、現地の状況次第で金額が変わってきます。

条件が良い物件であれば安く抑えられますが、状況が悪ければプラス料金が加算されていきます。
そのため実際に契約を結ぶ前に、必ず現地の状況確認が必要になってきます。
解体業者が見積りを取り、それに納得できれば契約を結ぶという形になるでしょう。

現地調査が入るため、依頼者としても手間がかかりますが、費用を節約するためには相見積もりをおこなうことが必須です。

業者によって金額設定が異なるため、複数業者の見積もりを取り、有利な業者を選ぶようにしましょう。

解体費用が高くなりやすい要因について

解体費用はおおよその相場があるものの、解体の条件が悪い物件になると金額が高くなります。
また廃材の量が多い場合なども、処分費用がかさむためどうしても費用がかかりがちです。

解体費用が加算される理由として、どのようなケースが多いのかご紹介します。
当てはまりそうな場合には、先ほどの一覧表にプラスして料金がかかることを念頭に入れておきましょう。

人力が必要となるケース

解体費用が加算されてしまう要因として、重機での取り壊しができないケースがあげられます。
重機で取り壊しできないとなると、人力で壊すしかないため、人件費がかかるからです。
また重機で解体するよりも効率が悪いため、人力での解体は工期も長くなりがちです。

工期が延長されてしまうと、その分当然ですが人件費などさまざまな費用が高くなることになります。

人力が必要となるかどうかに関しては、家が建っている場所次第です。
条件の悪い場所に建っていると、重機が使えないため手壊しで解体作業を進めていくことになるでしょう。

こざかな生徒
こざかな生徒

条件の悪い場所とはどんなところですか?

たとえば密集地帯です。前面道路が狭い場合など、物理的に重機の進入ができないような物件です

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

他にはありますか?

隣との距離が近い場合にも要注意です。解体する際には振動が生じますが、距離が近いと振動による影響を与えてしまう可能性があります。慎重に作業を進めなければならないため、人力での解体になりがちです

クジラ先生
クジラ先生

他にも高低差がある土地や、足場が組みにくい土地などは手作業が増えます。
手作業の増加はダイレクトに人件費に影響しますので、費用が高くなる要因でしょう。

ガードマンの配置が必要な場合

解体作業員以外にガードマンが複数人必要になる場合、さらに人件費が高騰します。
取り壊し作業をおこなっている期間中は、車両の出入りが頻繁になるため、安全確保を目的としてガードマンを配置します。
特に道路上での作業が入る場合ですとガードマンの配置が義務づけられているため、必要経費として考えておく必要があります。

また住宅密集地帯で解体をおこなう際や近くに学校施設がある場合ですと、さらにガードマンを増員して周辺住民の安全確保に努めなければなりません。
条件の良くない立地の場合、単に人力でおこなうから作業員の人件費がかさむだけではなく、このようにガードマンにかかる人件費も大きいです。

ガードマンの相場としては、1人当たり1日につき1.5万円から2.5万円程度です。
工期が長くなったり、ガードマンを増やすことになった場合には、1日あたりの金額がどんどん加算されていくことになります。

危険な場所での解体作業ですと、ガードマンを5人程度配置することもあるため、費用が大きくなりがちです。

付随工事の発生

通常の解体作業に収まらず、付随工事が発生してしまうと費用が高くなります。
例えばどのような作業があるのかと言いますと、以下の工事が多いです。

  • アスベスト除去工事
  • 地中障害撤去工事
  • 一般廃棄物の処理

アスベストは人体への影響が懸念されている物質のため、アスベストを含む断熱材を使用している場合は慎重に撤去しなければなりません。
解体時の負担が大きいため、アスベストが含まれている物件を解体する際は2倍近くに費用が膨れ上がる可能性が高いです。

また地中に障害物がある場合は、その撤去費用がかかります。
過去に建っていた物件のコンクリート躯体が発見されてしまうと、地下の作業をおこなう必要があるため高額になります。

もう1点注意として、解体業者は一般廃棄物の処理が出来ません。

建物の解体費用が高くなる原因

よって家庭ごみが大量にある場合、一般廃棄物処理の許可を受けた業者に別途依頼が必要です。
当然金額が高くなる要因になるため、ごみに関してはきちんと処分しておくことが大事です。

古家を残した方がよいケースとは?

古家を残した場合、土地を希望している層からは敬遠されがちです。
逆に更地にしてしまうと、中古物件を探している層をターゲットに出来ません。
両者とも一長一短ではあるため、どちらを選ぶべきかという判断は正直難しいです。

そのためどちらの選択肢がより向いているのか、パターンに当てはめて考える必要があります。
まずは古家を残しておいた方が良いケースを紹介します。

古家に価値が見込める

築年数の古い住宅であっても、価値が見込める場合があります。
古民家としての利用価値があるようでしたら、古家であっても需要が期待できます。
特に近年では古民家ブームが起こっているため、赴きのある住宅は人気が高いです。
住宅としての利用はもちろんのこと、古民家カフェなど事業用としての利用を検討している人も多いです。

築50年以上経過した伝統工法で建てられている古民家でしたら、古民家好きの人をターゲットにしやすいでしょう。

リノベーションなど少し手を加えるだけで、おしゃれな佇まいに蘇らせられることも可能です。
価値がないと思っている古家でも、魅せ方を変えるだけで再利用できるケースは珍しくありません。
古民家が少ないエリアですと、さらに希少価値が付き、思わぬ高値で売却できるかもしれません。

少し手を加えれば再利用できそうな古家の場合には、安易に取り壊す前に一度不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

再建築不可の土地にある

土地の中には再建築不可の土地というものが存在します。
このような土地の場合、リフォームや建て替えをおこないたい時には許可申請を提出しなければなりません。
ただし基準が厳しいことから、許可申請を出しても却下される可能性があります。
更地にした後に許可申請が通らない場合、その土地には何も建物を建てることができません。

そうなってしまうと、活用用途が非常に限られてしまいます。
建物を建てられない土地の価値は低く、需要もほぼないため、買い手探しが難航します。

取り壊さずに建物が残っていれば、住むという選択肢も買い手に与えることができるでしょう。
更地の状態よりは、多少なりともターゲット層を広げられます。
よって再建築不可の土地に建てられている場合には、取り壊さずそのままにしておきましょう。

こざかな生徒
こざかな生徒

再建築不可の土地ってどのような土地ですか?

主に市街化調整区域ですね。市街化調整区域は、基本的に建物を建てることが許されていない区域になります

クジラ先生
クジラ先生

解体費用の負担が大きく捻出が難しい

解体費用の捻出が厳しい場合も、無理に解体しなくてよいでしょう。
前述の通り、解体費用は30坪の場合で100万円から300万円程度かかります。
延べ床面積が広い場合や、付随工事が生じた際にはもっと金額は高くなるでしょう。
費用負担が非常に大きいため、貯蓄状況によっては出費が痛手となってしまいます。

その際は無理に解体せずに、解体費用分を差し引いた売却価格で売り出すのも一つの方法です。

買い手側としては、古家が残っていれば解体費用の負担分を見込んで土地選びをおこないます。
よって結局のところ、買い手と売り手のどちらが解体をおこなったとしても、お互いに手元に残る金額は一緒です。
理論上は売主が解体費用を負担できない場合には、その分売却価格が安くなるだけということです。

ですから解体費用の支払いが厳しい場合には取り壊さず、買い手に解体してもらう前提で売却しても問題ありません。

更地にした方がよいケースとは?

古家を残しておくべき土地がある一方で、更地にしてしまった方がよいケースもあります。

解体費用を負担しなければならない分、更地にする方がリスクは大きいです。
ただし更地にして適切に売却できれば、古家の場合よりも高値で売れる可能性が高く十分なリターンが得られます。

また古家を残しておく方が不都合な場合も早く解体してしまう方が無難でしょう。

どんな場合なら更地にした方がよいのか、具体的なケースを詳しく見ていきましょう。

需要が見込める土地

立地条件がよく、需要が見込める土地の場合には更地にしてしまう方がおすすめです。
人気がある土地ですとすぐに買主が現われる可能性が高いでしょう。
翌年以降の固定資産税を気にしなくてもよいため、更地にしてしまってもリスクが少ないです。

固定資産税は住宅用の物件が建っていないと金額が高くなりますが、すぐに売り手が見つかりそうな場合ですとその心配もありません。

また更地にすることで、住宅用の土地を探している人以外の層にもアピールできます。
古家付きよりも更地の方がすぐに土地活用できるため、土地購入にあたっての心理的な負担が少ないです。
土地全体を把握してから購入できるため、買主としても購入に踏み切りやすいでしょう。

解体費用を掛けてでも更地で売却か古屋で売却かはニーズによって異なる

よって古家付きのままにしておくよりも購入希望者が現れやすくなりますし、高値での売却もしやすいです。
売却値をできるだけ上げたいのであれば、思い切って更地にしてしまうのがよいでしょう。

築年数が経過していて建物の価値がない

物件は土地と違い、築年数経過と共に価値が失われていきます
どんなに立派な建物でも時間が過ぎると劣化が生じるからです。
住宅の構造や用途により減価償却の期間は異なりますが、木造ですと法定耐用年数は22年です。
法定耐用年数はあくまでも税金などの計算用として定められているもののため、実際にはこれ以上長く住むこともできます。

とはいえ法律上では、この期間を過ぎると価値はゼロと見なされます。
価値がゼロになってしまった建物が残っていると、買い手探しが難しいです。
また築年数がだいぶ経過している建物は、倒壊などのリスクを抱えることになります。

物件の所有権が自分自身にある間に万一他人に危害を加えた場合、損害賠償を請求されることになるでしょう。
耐用年数が経過した価値のない建物は、リスク回避のためにも解体が望ましいです。

木造以外の構造における法定耐用年数は、下記の表にてご紹介しますので参考にしてみて下さい。

物件の構造住宅用物件の法定耐用年数
木造22年
計量鉄骨造19年
鉄骨造34年
鉄筋コンクリート造47年

解体する場合の注意点と知っておくべき税制上のポイント

一度古家を解体してしまった場合、もう一度元に戻すことはできません。
よって解体を選択するのであれば、できるだけ慎重に話を進めていく必要があります。

後悔しないためにも知っておくべきなのが、税金に関することです。
解体した場合と解体しない場合で課せられる税金が変わる可能性があるため、それを踏まえて判断をしましょう。

また解体費用のローンに関しても、解体前に知っておくべき情報です。
解体における注意点や税制上のポイントをご紹介します。

解体すると固定資産税の負担が増す

古家を解体した場合に考えなくてはいけないこととして、固定資産税があげられます。

固定資産税とは、家屋や土地を所有している際に課せられる税金です。
更地になれば家屋の分の固定資産税は課税されないため、有利になるかと思いきや、そうではありません。

家屋が建っていない土地の固定資産税は、家屋付きの土地に比べて6倍近く金額が高くなるからです。

その理由として、住宅用の土地の場合、200m2以下の部分に関しては6分の1の軽減が適用されています。
そして200m2を超える部分も、3分の1の軽減を受けられます。

つまり住宅が建っていると、それだけで土地に対する固定資産税の軽減対象になっているというわけです。
よって住宅がなくなってしまうと、仮に家屋分の固定資産税の負担が減っても、土地に対する固定資産税負担が重くのしかかります。

総合して考えると、古家が付いていた場合よりも更地にした方が高くなるケースの方が圧倒的に多いです。

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課せられるため、売却ができるまでずっと固定資産税が課せられます。
更地にしたものの買い手が付かない時には、固定資産税負担が重くなるというリスクを周知しておく必要があるでしょう。

取り壊しのタイミングに注意

建物の解体をおこなう場合には、取り壊しのタイミングに注意です。
固定資産税は、毎年1月1日時点での家屋及び土地の所有者に課せられます
よって1月1日の時点で建物がどうなっているかというのが重要です。

12月中に取り壊しをおこなってしまうと、固定資産税は土地のみ課税ということになるでしょう。
家屋のない土地に該当するため、古家が付いている時と比較すると、場合によっては6倍近い固定資産税を払うことになります。

一方1月1日が過ぎてから取り壊しをおこなうと、土地と家屋に対する課税になるため、土地だけの場合よりも固定資産税を抑えられる可能性が高いです。

もし取り壊しが1月1日をまたいでいるようなら、どちらに当てはまるか微妙なところです。
例えば外壁と屋根は残っているが、中の解体は進んでいる場合などが当てはまります。
判断に迷う時は事前に役所の固定資産税課に赴き、相談しておくのが望ましいでしょう。

解体は譲渡所得の節税に繋がる

不動産を売却して利益が出た際には、譲渡所得が発生します。
譲渡所得がある際には、所得税と住民税の課税対象ですから、納める税金が増えます。

ポイントとして、売却した金額まるごと譲渡所得になるわけではありません。
あくまでも課税対象となるのは、利益分だけです。
不動産購入時の取得費や、売る際に生じた費用は、経費として差し引くことが可能です。

解体費用は売る際に生じた金額のため、譲渡費用に該当します。
よって解体費用分は譲渡所得が課税されませんので、譲渡所得を抑えることに繋がります。

要は節税効果を見込めます。

ちなみに譲渡所得は申告分離課税です。
よって普段は会社で年末調整をおこなっている会社員も、譲渡所得が発生した年には自分自身で確定申告をおこなう必要があります。

取得費をしっかりと経費計上することも大事

譲渡所得の節税効果という意味では、解体費用を計上するよりも、取得費をきちんと計上することがポイントとなります。

不動産購入時の取得費は、譲渡所得から差し引くことが可能です。
取得費とは例えば以下の費用を指します。

  • 土地や物件の購入費
  • 建物の建築費
  • 購入手数料
  • 改良費
  • 設備費

このうち金額が大きいのが、購入代金や建築代金です。
こちらをきちんと必要経費に算入できれば、もちろん人によりけりではあるものの、数百万円から数千万円の節税に繋がるケースがほとんどです。

そしてさらに3000万円特別控除を適用すれば、多くの場合で譲渡所得をゼロに抑えることができます。
よって仮に売却益が生じたとしても、税金の支払いからは逃れられます。

ただし建物の取得費に関しては、購入した当時の金額で計算できる訳ではありません。
減価償却分を考慮した金額のみとなるのが、注意点です。

建物を解体する場合の税金について

とはいえ取得費をきちんと計上できれば非常に節税効果が得られるため、解体費用の経費算入よりも譲渡所得を大きく左右する要因になります。

解体費用はローンで支払いにくい

ローンで解体費用の支払いを考えている場合には、いろいろと注意が必要です。
まず解体費用は基本的に分割払いが出来ません。
よって一括で支払わなければならないのですが、何しろ高額です。

そのためローンを組もうと考えるかもしれませんが、解体費用はローンが組みにくいです。
その理由として、住宅ローンに含めることが基本的にできないからです。
よってもし買い手が解体費用を負担する場合ですと、住宅ローンとは別に解体費用のローンを組むことになるでしょう。

使用用途が解体費用でも可のローンとして、たとえば以下があげられます

  • フリーローン
  • 無担保ローン
  • 空き家解体ローン

このようなローンは住宅ローンと比較すると、金額が高くなりがちです。
そのため解体費用を一括払いできずローン支払いする際には、大きな負担を負うことになるでしょう。

解体費用はローンが組みにくい
こざかな生徒
こざかな生徒

住宅ローンに解体費用を組み込むことは、絶対に無理ですか?

新築を依頼する業者と提携している解体業者であれば、住宅ローンへの組み込みに応じて貰える場合もあるようです

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

ではその方法で解体費用を住宅ローンにしてしまえばよいのではないでしょうか?

そう考えるかもしれませんが、新築依頼する業者経由で解体を依頼すると、中間マージンの問題が発生します。直接解体業者に頼むより、そもそもの解体費用が高くなるでしょう

クジラ先生
クジラ先生

土地価格より高いなら売主負担を検討すべき

前項で解体費用の捻出が難しければ、無理に負担せずその分を売却価格から差し引けばよいと説明しました。
基本的にはそうなのですが、解体費用の捻出が大変なのは買主も同様です。

住宅ローンに組み込めないため、一括で支払えない場合には、金利の高いローンを組むことになってしまいます。
このような理由から、解体費用を一括で支払えるくらい金銭的に余裕のある人しか、不動産に興味を持ってもらえなくなるでしょう。

特に注意したいのが、土地価格よりも解体費用が上回るケースです。
買主目線からすると解体費用の方が高い場合、購入するうえでの心理的ハードルが非常に高くなります。
土地よりも解体費用に費やす金額の方が大きいのは、買主側からすると嫌なものです。
ほとんどの人がこのように考えるため、結局売れ残ってしまいます。

よって土地価格よりも解体費用の負担が大きい場合は、なるべく売主負担を検討した方がよいでしょう。

まとめ

解体すべきかどうかを判断するうえで、まずは肝心の解体費用がどの程度なのか知っておく必要があります。
建物の広さと構造が解体費用を左右する要因ですが、人力が必要な場合などケース次第で費用はどんどん加算されていきます。
そのため複数の業者に見積りを取ってもらい、金額の妥当性を確かめることがポイントです。

また注意点として、解体してしまうと再建築不可の土地の場合建て直しができません。
古家が残っていないと固定資産税も増える可能性が高いため、解体する際には慎重に判断することが大切です。
解体費用はローンが組みにくいですから、一括で支払えないのであれば解体はあまり現実的な選択肢ではありません。

解体すべきか否かの判断は、バランス感覚が重要になります。
どちらが税負担を抑えられるのか、最終的に手元に残るお金はどちらが有利になるのかなど、多方面から考えてみましょう。

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