旅館業者ファースト!儲からない民泊新法の問題点とその実態を徹底解説

2021.2.5

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この記事の監修・執筆者

未来不動産コンサルタント株式会社

代表取締役 小川 樹恵子

保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸経営不動産管理士、FP2級、証券外務員2種、貸金取扱業務取扱主任者

【本サイト(鯨鑑定士の不動産売却・投資)のメイン監修者】2007年から2014年の間に、個人の不動産鑑定事務所ほか、住友不動産株式会社に勤務し、不動産鑑定評価実務や不動産売買の経験を積み、「不動産の鑑定評価から売却・購入までワンストップ対応!」をモットーに、2014年未来不動産コンサルタント株式会社を設立し、現在は、不動産鑑定・不動産売買のほか不動産実務等の講師なども務めている。

「民泊」という言葉をよく聞くようになってきたのは、2008年あたりからではないでしょうか。海外では、日本でいう「民泊」のことをバケーションレンタルと言い、既に広く利用されていました。日本でも個人が、所有する不動産を有効活用する目的や国際交流の目的で、インターネットを通じて海外旅行者とマッチングする方法などにより、急速に広がりました。ホテルや旅館を営む旅館業者にとっては、民泊の利用者への提供料金の安さや手軽さにより、利用者の流出の懸念がありました。

そこへ、不動産業界も、2020年に開催される予定だった東京オリンピックでの海外観光客の宿泊事業として民泊を注目し、所有している空き家を民泊施設へと切り替え、事業に乗り出しました。

個人だけではなく、様々な業界の業者が参入を示し、民泊事業は一大事業として注目されました。

しかし、当時は法律の整備がなく、近隣住民とのトラブルなどがメディアに報じられることもありました。市場が盛り上がっても、抜け穴があったのです。

その後、2013年に国家戦略特別区域法が成立し、2015年には、東京都の大田区が特区に認定され、特区民泊の規定ができたり、大阪府が条例を成立させるなど、法律が整備され始めました。

そして、2016年4月に、旅館業者のために定められている旅館業法の改正があり、2018年6月15日に、「民泊新法」と呼ばれる住宅宿泊事業法が施行されました。

民泊は現在、日本にて広く認知されており、民泊業者も多くいます。

ですが、民泊新法が施行されて、民泊をおこなっていた個人や業者、これから民泊を行おうとする者には、締め付けを感じずにはいられない事が少なくありません。

こざかな生徒
こざかな生徒

民泊新法にはどんな問題があったのでしょうか?

ここでは、その民泊新法について改めて触れながら、その問題点とその実態について説明をしていきます。

クジラ先生
クジラ先生

民泊は儲からない?民泊新法とは

まず、民泊新法と呼ばれている住宅宿泊事業法について触れていきます。

①住宅宿泊事業法「民泊新法」

この住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される以前には、訪日外国人観光客のニーズが高まっており、民泊サービス(住宅宿泊事業)という新しい事業の普及が急速に進んでいました。

国は、この機会に観光立国の推進や空き家の有効活用を図るため、また民泊サービスの適正な管理、安全性、地域住民とのトラブル防止を図るために、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法を施行したのです。(2018年6月15日施行)

これは、従来の旅館業法や国家戦略特別区域の特区民泊とは別の形態の宿泊サービスとなり、「住宅」を貸し出すという宿泊施設となります。

所管の省庁は、観光庁や国土交通省、厚生労働省となっており、省令によって、関係省庁による一定の管理体制を構築しています。

②民泊新法で宿泊施設として利用する「住宅」とは

民泊新法における宿泊施設とは、「住宅」と定められています。

これは、建築基準法に定められる建物の用途でいうと、「住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿」を指します。

また、民泊新法では、民泊として提供することのできる住宅には、「台所や浴室、便所など、生活の本拠として、使用する為に必要な物として、国土交通省令や厚生労働省令で定めている設備が備わっていること」とされており、事務所や倉庫として使用している場所では、民泊サービスを営業できません。

それから、「現に人の生活の本拠として、使用されている家屋」「以前に住んでいた者が退去した後に、新たな入居者の募集がされている家屋」と示しており、現在、人が生活している家屋や、常時居住していなくても年に一度でも訪れ生活している家屋、また現在は居住してはいないが、将来的には生活をする予定である家屋なども利用できるとしています。

③「住宅宿泊事業者」「住宅宿泊管理業者」「住宅宿泊仲介業者」

住宅宿泊事業者とは

住宅宿泊事業者とは
都道府県知事へ届け出をして、住宅宿泊事業(民泊)をおこなう者をいいます。
民泊ホストともいわれています。宿泊者は、民泊ゲストともいわれます。

住宅宿泊管理業者とは

住宅宿泊管理業者とは
国土交通大臣へ申請をし、住宅宿泊管理業者の登録をした者をいいます。
民泊業者と管理受託契約を結んで宿泊者名簿の作成をするなど、住宅宿泊事業法(民間新法)に定められている規定を遵守し、民泊の管理業務をおこなうものをいいます。

住宅宿泊業者から委託をされた住宅宿泊の管理業務においては、一部の再委託は認められていますが、委託をされた民泊業者の業務の全てにおいての再委託は禁止されています。

住宅宿泊仲介業者とは

住宅宿泊仲介業者とは
観光庁長官へ業登録の登録をして、住宅宿泊仲介業を営むものをいいます。
住宅宿泊業者より物件情報の提供を受け、ゲストと住宅宿泊事業者との契約締結の仲介をします。ゲストが民泊仲介予約サイトなどで、民泊施設を探した際に仲介に入る業者です。

④民泊のスタイル

民泊には、「家主居住型」と「家主不在型」とがあります。

家主居住型とは
民泊事業者が、民泊をする住宅に居住しており、自身が住宅宿泊管理者となって、民泊サービスをおこなう形です。

その場合には、民泊事業者は、不在(生活をおこなう上で普通おこなわれる買い物などの行為にかかる時間として原則一時間)になることは認められず、2時間を超える不在が起きてしまう場合は、家主不在型に変更しなくてはなりません。

家主不在型とは
民泊業者が民泊をする住宅に居住しておらず、住宅宿泊管理業者により管理されている形のことをいいます。

家主不在型の場合は、住宅宿泊管理者へ委託している分、経費がかかりますので、家主居住型よりは、利益は見込めないでしょう。

家主居住型家主不在型
・自身が住宅宿泊管理者
・自分で管理業務をすれば費用はかからない
・宿泊者による問題が起きにくい
・家主と宿泊者との距離が近い
・住宅宿泊管理業者に委託
・委託料などの料金がかかる
・宿泊者による問題が起きやすい
・大人数での利用が増えやすい
・ゆっくりしたい宿泊者がおおい
・消防設備の設置

⑤民泊事業者が守らなければならないこと

民泊新法では、民泊を行う住宅宿泊事業者には、以下の義務を定めています。

ですので、以下の内容は、全てにおいて守らなくてはなりません。

宿泊をする者の衛生の確保

民泊をする住宅の各居室の床面積に、応じた宿泊者の人数の制限があります。(宿泊者一人に対し、3.3平方メートル以上)また、定期的に清掃をすることで、宿泊する者の衛生の確保をすることとされています。

宿泊をする者の安全の確保

民泊をする住宅への非常用照明器具の設置をしたり、避難経路の表示をしなくてはなりません。また、火災やその他の災害が発生した場合での、安全を守らなくてはなりません。

観光旅客である外国人の宿泊者の、快適さや利用のしやすさの確保

外国から来た旅行客のゲストに対して、届け出をした住宅の設備の使用方法や、移動手段である交通機関の情報提供に、外国語を利用して案内しなくてはいけません。

また、火災や地震などの災害が発生した場合の通報先や、対応の仕方なども外国語を利用して見えるところに案内しなくてはならないとしています。

宿泊者名簿の備付け

民泊をおこなうものは、宿泊者名簿を備える必要があります。宿泊する者には、宿泊する前までに本人確認をし、正確な名簿の作成をしなくてはなりません。

名簿の形式は、電子データも許されており、都道府県知事の請求があれば、提出しなくてはなりません。

また、名簿の保管も、作成の日から3年間と各都道府県の条例により定められています。

周りに住む方の生活の迷惑にならないようにするための説明など

配慮として、ベランダやバルコニーでの宴会の禁止、楽器演奏を控えてもらうなどの騒音に対する防止を図ることや、周辺の環境を考えたゴミ処理の仕方なども施設内で案内を掲示したり、説明をしなくてはなりません。

また、火災の防止に関しても、火気の取り扱いの配慮を促す掲示をしたり、消火器の使用方法の案内をすぐ見えるところに備付けるなど、対応を講じなくてはなりません。

これらは、日本語以外の外国語で表記することが定められています。

苦情や問い合わせの対応

民泊事業をおこなう住宅の周辺地域の住民から、苦情や問い合わせを受けた場合には、適切かつ迅速な対応をしなければなりません。

これらの応答については、時間を限らず、また、電話にて対応することとしています。苦情や問い合わせへの対応の状況は、都道府県知事への報告にも細かく伝えなければなりません。

周辺地域の住民には、民泊事業を理解していただいた上で、安心して生活していただけるよう、真摯な対応を求めています。

標識の掲示

届け出をした住宅ごとに、見やすい場所に決められた様式の標識を掲げなくてはなりません。

住宅宿泊事業者は周辺地域の人へ、民泊事業を行っていることを示して営業しなければなりません。

こちらは、民泊事業を隠れて行わないように管理する目的と言えます。

都道府県知事への定期報告

届け出をした住宅ごとに、都道府県知事へ下記のスケジュールにて、表の内容を報告しなくてはなりません。

報告スケジュール

該当営業分報告締め切り
12・1月 2月15日 
2・3月 4月15日
4・5月6月15日
6・7月8月15日
8・9月 10月15日
10・11月12月15日

確認内容

宿泊者の状況苦情内容等
・宿泊日
・宿泊客数
・延べ宿泊客数
・国籍別の宿泊者した人数の内訳
・苦情を受けた日時
・苦情の内容
・苦情への対応の状況

民泊制度運営システムの利用によって、電子宿泊者名簿の作成や定期報告のデータ作成が可能となっており、複数の住宅の管理もできるようになっています。

⑥民泊をはじめたいときは

民泊を始めようとする場合には、都道府県知事に届出をする必要があります。

届出を行えば、住宅宿泊事業者となり、民泊を営業できるのです。

必要書類としては、
届出書一式、身分証明書、届け出をする住宅の登記事項証明書、届出をする住宅の図面、消防法令適合通知書、近隣住民への説明に使用した資料、避難経路図、
となっており、法人であれば、法人登記事項証明書、定款も必要となり、個人であれば、住民票なども必要となります。

また、届出前に、消防法令適合通知書を入手しておきましょう。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

はい!

消防法令適合通知書とは
消防法令適合通知書交付申請書を提出し、書類審査を経て、立入検査を通ると交付されるものです。立入検査時には、消防設備を備える必要があります。

のちに、お話いたします「消防法と旅館業法、民泊新法」のところに施設の各用途に必要な消防設備の表がありますので、民泊を始めようとしている住宅の用途を確認し、備えなければならない消防設備を確認してください。

そちらの申請時にも、配置図や、建物の平面図、防火対象物使用開始届出書などの届出書を添付しなくてはなりませんので、事前に調べてご準備ください。

申請先は、各消防署の消防課、予防係となっています。民泊をおこなおうとしている自治体の消防署へお問い合わせください。

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旅館業者と民泊業者の違い

①旅館業法とは

旅館業法という法律は、所管は厚生労働省となっており、旅館業の定義や種別、営業の許可などを制定しています。

旅館業とは
「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義しており、「宿泊」については「寝具を使用して施設を利用すること」と解釈し、生活の本拠を置くような場合は、旅館業には含まれないとしています。
それから、「宿泊料」を部屋の使用料として徴収することと、「社会性をもって継続反復されているもの」が旅館業に該当する営業といわれています。

この「社会性」とは、社会通念上、個人生活上の行為として行われる可能性がある範囲を超える行為とし、友人や知人は値しません。旅館業に値する営業をしている場合は、旅館業の登録が必要となります。

旅館業の種類としては、「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」とされていましたが、住宅宿泊事業法(民泊新法)の影響を受け、2018年6月15日に「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」と改正されました。

この改正により、衛生等管理要領での構造設備の基準が以前より緩和されました。

構造設備主な改正内容
最低客室数廃止
洋室の構造設備の要件廃止
客室の最低床面積7平方メートル
玄関帳場(フロント)厚生労働省令で定める基準を満たす設備で代替可
便所数量の規制廃止

②旅館業法と民泊新法

旅館業者が登録をしている旅館業法で定めている「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」や「社会性をもって継続反復されているもの」は、民泊のサービスにも共通するものがあります。

民泊新法が施行されるまでは、旅館業法の定めている簡易宿所営業に民泊は該当するとし、旅館業法の登録が必要であるのに、民泊を営業するケースがありました。

しかし、民泊新法の施行と旅館業法の改正があってからは、住宅宿泊事業者としての届出をおこなうか、国家戦略特別区域法の特区民泊の認定を受けることで、旅館業の許可を受けなくても民泊サービスをおこなうことができるようになりました。

住宅宿泊事業者としての届け出を出さずに、また、国家戦略特別区域法の特区民泊の認定も受けずに民泊をおこなうと旅館業法違反となり、現在では、6か月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金となりますので、いずれかの届出や許認可を受けて営業をおこないましょう。

③建築基準法と旅館業法、民泊新法

建築基準法とは
建物や土地に関わる法律で、建築物の敷地、用途、構造、設備などについて基準を定めています。消防法や都市計画法も関係規定と呼ばれており、建築基準法に密接に関わっています。

民泊事業においても、宿泊施設となる住宅の「用途」が、民泊新法施行前には建築基準法の違反に当たるのではないかと話題になっていました。

居住の用に供している建物は、建築基準法での「用途」が、一般住宅となっています。民泊新法施行前では、民泊は簡易宿所として営業する必要があったため、用途の変更をする必要がありました。

しかし、民泊事業をおこなう住宅が、大阪を除く他の地域での市街化地域内であった場合、用途変更ができないため建築基準法を違反してしまう流れになっていました。

民泊新法が施行されてからは、届出住宅や特区民泊になると、建物の用途が住宅となるため、建築基準法違反になることはなくなりました。

④消防法と旅館業法、民泊新法

消防法は
火災の予防や警戒、鎮圧により、国民の生命、身体、財産を保護したり、災害による被害を軽減したりするため、傷病者の搬送を適切に行うことを目的に作られています。

旅館業者や民泊事業者が営業をおこなうにあたって、消防法では、災害に備える消防用設備を、建物の構造や消防法令上での用途によって定めています。

旅館業者は全て「宿泊施設」という用途になります、民泊については、条件により4つ分かれます。

家主が不在となる場合は「宿泊施設」となりますが、家主が不在にならない場合で客室の床面積が50㎡以下なら「一般住宅」となります。

また、家主が不在でも、客室の床面積が50㎡を超えた場合は「宿泊施設」に分けられ、民泊施設が、共同住宅である場合で、家主が不在であれば「宿泊施設」となり、不在とならない場合は、客室が50㎡以下の場合を共同住宅に分類され、客室が50㎡以上の場合は「複合施設」という用途になります。

この分類は、「民泊における消防法令上の取扱い等について」という消防庁のリーフレットに記載されています。

以下は、消防法で定められた建物の用途別の消防用設備等の一覧です。

建物の用途別の消防用設備等の一覧

建物の用途一般住宅共同住宅宿泊施設複合用途
消火器①延べ面積150㎡以上のもの②地階、無窓階、3回以上の階で床面積が50㎡以上のもの同左同左
自動火災報知設備延べ面積500㎡以上のもの等全てのもの延べ面積300㎡未満のもののみ特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能・そのほか例外あり
住宅用火災警報器寝室等に設置自動火災報知設備があれば不要自動火災報知設備があれば不要
誘導灯地階、無窓階、11階以上の階全てのもの同左
スプリンクラー設備11階以上の階・11階以上のもの・延べ面積6000㎡以上のもの等11階以上のもの、そのほか例外あり
消防用設備等の点検報告点検が年に2回、報告が3年に1回点検が年に2回、報告が年に1回同左
防火管理建物全体の収容人員が50人以上のもの建物全体の収容人数が30人以上のもの同左
防炎物品の使用高さ31mを超えるもの全てのもの高さ31mを超えるもの

⑤旅館業者と民泊業者の違い

旅館業者と民泊業者の違いを、それぞれの所管する法令や、建築基準法、消防法に触れながら見てみました。

料金をもらい人を宿泊させるサービスとしては、両者は同じですが、所管する法令を旅館業と民泊新法とで分け、旅館業は厚生労働省の許可制度でありますが、
民泊に関しては、厚生労働省と観光庁、国土交通省に監督を分け、住宅宿泊仲介業や住宅宿泊管理者の制度を創設することで、住宅宿泊事業の組織だった管理監督を作っているといえます。

また、住宅宿泊事業者は届出をすることで始められますから、入り口は広い印象です。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

なるほど!

民泊新法の問題点とは

民泊新法が施行され、法整備が整うとともに、以前より衛生性や安全性は守られてきましたが、民泊事業者やこれから民泊を始めたいと思っている者に立ちはだかるいくつかの問題点があります。

①180日の営業規制

民泊新法の対象のサービスとは、人を宿泊させる日数を、国土交通省、厚生労働省令で定めるところにより算定したうえで、一年のうち180日を超えないものとされています。それは営業日数の制限であり、固定費はかかるが収入は制限されているということになります。

この条件だけに注目すれば、収入に関しては180日分だけしか得ることはできませんが、固定の経費は一年分かかることになりますので、そちらを念頭に入れたうえでの経営をしなくてはなりません。

賃貸物件での民泊事業は、採算が合わない状況が起きてくるかもしれません。

しかし、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した特区民泊であれば、条件はありますが、営業日数の制限はありません。

②細やかな規定と2か月に一度の報告

民泊新法の内容のご説明でも触れましたが、民泊新法には住宅宿泊事業者に義務づけられていることがたくさんあります。全てのルールを守りながら事業者が運営を行うのは、容易ではないかもしれません。

また、地方自治体によっては、条例を定めているところもあり、そちらのルールも遵守していかなくてはなりません。

また、住宅宿泊管理業者へ業務を委託した場合には、管理や報告は委託できますが、費用がかさみますので、利益は減ることになります。

そういったことからも、苦労が多くあまり儲からないのではと考えられるようです。

③罰則規定がある

細かな手続きやルールがある中で、法律を守らないと罰則を受けることが定められています。(6か月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金)

法令違反の内容としては、虚偽の届出をした場合や、宿泊日数等の都道府県知事への未報告や虚偽報告をした場合、宿泊者名簿の備付け等の義務に違反した場合など、住宅宿泊事業者、住宅宿泊管理事業者、住宅宿泊仲介業者、宿泊者に対するものも細かく定められています。

④初期投資費用

民泊を始める初期費用として、施設とする物件の取得費用や、施設内の家具類、備品などがかかります。また、宿泊客ごとに用意しなくてはならない、シーツやタオルなども準備しなくてはなりません。

新品を購入した場合、費用がかかりますので、レンタルなども積極的に利用してみましょう。

その他に、通信費や水道光熱費、清掃にかかる費用、保険料や予約サイトの手数料、海外からの旅行者に対しての案内や説明に関する対応なども、企業サービスを利用すれば費用がかかってきます。

営業日数は、180日と決まっておりますので、変動費をいかに抑えることができるのか、また、稼働率を伸ばすことによって粗利を増やすかなど、工夫することが大事になってきます。

民泊の実態とは

①大手企業の参入

民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)が新たなホームシェアの設計デザインを構築する目的でAirbnb Partnersをスタートし、2019年には参加企業が117社に増加したと報じられました。

挙げられている参画企業を見てみますと、不動産業界や旅行業界だけでなく、レストラン予約で有名な企業や、警備会社、交通系などの様々な業界の大手企業名が名を連ねています。

また、楽天やヤフーに関してもサービスを展開しており、民泊新法が施行され、民泊事業をこれからの新しいビジネスとして考えていることがとてもよくわかります。

かねてから旅館業の許可をとり、建築基準法や消防法に則しながら営業してきたホテルや旅館業者にとっては、民泊という新しいビジネスが広まり、反発をしてきた側面もありますが、民泊新法施行にて法整備がなされ、民泊業界が切磋琢磨してくれば、ホテルや旅館業者も新しい流れに影響され、変化が起きる時も来るのではないでしょうか。

②稼働状況

民泊が注目され、住宅宿泊事業者は急速に増加しましたが、稼働の状況は、東京都や北海道、大阪府が多くを占めており、都市に偏っているといわれています。また、旅館への転用をし180日規制から逃れる業者も増えたようです。しかしながら、効率的に運営をしていけば利益が望めない訳ではありません。

まとめ

民泊新法が施行され、法整備の整えられてきた民泊事業ですが、これから民泊事業を始めようとするには、関係法令をきちんと理解し、正しい知識をもって準備することが必要となります。

以下ついては、民泊の経営に失敗しないために押さえていただきたいポイントをお話していきます。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

勉強になります!

①経営方法をよく考える

何事にも言えることではありますが、ただ営業しているだけでは、利益はなかなか残せません。営業しているときの稼働率をあげるために、何ができるのか考えてみましょう。

オリジナリティを出して、リピート客を狙っていくのも良いでしょう。

また、宿泊客はインターネットの予約サイトで施設を探すのがほとんどです。予約サイトでの見え方を工夫してみると良いでしょうか。届出住宅の営業のコンセプトを絞って考え、インテリアやスタイルが予約サイトの利用者に伝わるようにしましょう。

②運営の仕方

家主不在型の民泊であれば、住宅宿泊管理者に任せるのではなく、ご自身で運営、管理すれば経費が削減できます。年間で考えるとかなり収支が変わってくるのではないでしょうか。また、雑務に関しても自分でできる限りやってみるというのも少なからず経費削減に役立つでしょう。

また、簡易宿泊営業として旅館業の許可をとってみるのもいいかもしれません。旅館業者になれば、営業日数の制限はありませんので、売上を増やせる可能性があります。

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