相続した土地の売却でかかる税金の全てと特例や節税対策をまとめました | 鯨鑑定士の不動産売却
相続した土地の売却でかかる税金の全てと特例や節税対策をまとめました

相続した土地の売却でかかる税金の全てと特例や節税対策をまとめました

2020.8.21

2020.8.21

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もし土地を相続する事態になったとして、対応に困ってしまうのが税金対策です。
まったく節税をしないとかなりの税金を支払う事になります。

こざかな生徒
こざかな生徒

親が亡くなった後で土地を相続する場合、その後にそのまま住み続ける人がいる一方で、実家が遠方になると売却する人も少なくありませんね。なぜでしょう。

土地を所有しているとお金がかかります。毎年払う固定資産税や相続したときに発生する相続税など、持っているだけで結構な額のお金が出ていきます。

クジラ先生
クジラ先生

親が亡くなって持っている土地を扱う場合、相続手続きをし、そのまま居住するかまたは住まない場合は売却という流れになります。

しかし要所で税金が発生するので、その内容や金額の平均、計算方法も知っておくといざという時にも役に立ちます

ここでは土地相続や所有している時、売却する時の税金について勉強しましょう。

土地を相続したときにかかる税金の種類

一番先にかかるのが相続税、土地に限らず建物も含む不動産全般は故人の残した財産(遺産)にあたるため相続税が発生します。

相続税の算出法

相続税は以下の計算式にて算出されます。

相続税額=(全ての相続財産額—基礎控除額)×相続税率

この中の全ての相続財産額の中には現金や預貯金の他、不動産、有価証券などがあり、それを合計します。借金などのマイナスになる負の遺産についてもこの中に含みます。

基礎控除額は以下の計算式にて表されます。

3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

①から②を引いた金額が0を上回った場合、相続税の支払い義務が生じます

例えば法定相続人が2人の場合は遺産相続が4200万円を下回っていたらかかりません。

土地の評価方法

相続税を算出する場合、土地の評価方法は独自の指標に基づいて算出されます。
その基準を路線価方式または倍率方式と呼び、いずれかの方法にて課税の基になる評価額を算定します。

路線価

路線価とは相続税路線価とも呼ばれ、道路に面している土地の基準価格です。
道路の価値とも言われ、それぞれの道路に値が付けられていると考え、接した土地も同様に値付け評価されます。

市街地や住宅地ではほとんどの場合、この路線価によって評価されます。
路線価は国税庁によって管理されています。

相続する土地の評価額を調べるには、国税庁のサイトトップページ下部右側、関連サイト一覧内にある路線価表から見られます。

そこに日本地図が表示され、調べたい地域の町名までクリックし続けます。
白地図の道路上に265Dといったように、3桁の数字とアルファベットの組み合わせの表記があり、この数字が1㎡あたりの単価(単位千円)になります。

つまり265Dの場合は1㎡あたり265,000円、これに土地面積を乗じた数字が相続税の評価額です。

土地売却の路線価(相続税路線価)査定額の計算方法

倍率方式

倍率方式とは路線価が定められていない地域の土地を算出するのに使用する数字です。
市街化調整区域や、地方にある土地や山林や田畑などを評価するときに使われることが多く、路線価同様、国税庁の管理下にあります。

調べ方は路線価地図と同様に、当該地区の所在地が出るまでクリックし続け、倍率地域という表示があればそれにあたります。

日本地図のあるページまで戻って都道府県をクリックすると路線価図とは別に評価倍率表があり、一般の土地等用を選択、所在地を選んでクリックすると町名ごとに表形式のフォームが出ます。

宅地の場合、多くは1.1や1.2といった数字があり、それを固定資産税評価額の数字にかけます。

こざかな生徒
こざかな生徒

市街地は路線価、その他は倍率方式、このいずれかを使って土地の課税額が評価されるのですね。

正解ですが2つほど注意点があります。まず土地の評価額とは売却額ではないこと、路線価については実際の売買価格の7~8割程度と考えられています。また用途や借地割合によって変わってくる場合もあります。

クジラ先生
クジラ先生
土地の評価方法

土地や建物を売却した時にかかる税金

土地を相続し所有し続けていると相続税の他に、固定資産税など不動産関連の税金も毎年かかってきます。

そのため核家族化が進み親子が独立して暮らす現代では、相続した不動産は売却するのが一般的になってきました。

不動産売却時にかかる税金は、以下の種類があります。

名称金額平均または計算式備考
所得税・住民税物件の所有期間によって税率が異なる譲渡した翌年の確定申告にて支払う
印紙税売買金額に応じて変わる
・1,000万円超5,000万円以下=1万円
・5,000万円超1億円以下=3万円
売買契約書に貼付 不動産会社で準備されているケースが多い
登録免許税(抵当権抹消登記)土地1筆、建物1棟あたり1,000円住宅ローンを使っていた時に必要
消費税10%(その時期の税率に応じる)仲介手数料、司法書士報酬などにかかる。 土地代金にはかからない。

売却時の税額を決める譲渡所得とは?

不動産物件を売却した時に出る利益(損失)のことを譲渡所得と言います。
譲渡所得は以下の数式で表され、実際に取引された売却価格とは全く違うものなので注意しましょう。

譲渡価格-取得費-譲渡費用

この合計が0を上回ると利益(売却益)になり課税対象に、一方0を下回った場合は損失(売却損)になるので税金支払いはありません。

この計算式は不動産売却の税金計算や節税対策、すべての基礎になるのでしっかり覚えましょう。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

はい。

プラス、聞きなれない言葉なので、数式の3つの言葉についてそれぞれ解説しました。

クジラ先生
クジラ先生

譲渡価格とは?その算出法

譲渡価格とはいわゆる売却額のことで、不動産会社と実際に取引した価格です。
正確な金額を出すには不動産会社に訪問査定を依頼し、立地条件や現状を基に詳しく調査された後になりますが、事前に概算の価格を知ることはある程度可能です。

最も早いのはインターネットの一括査定サービスを利用すること、複数の不動産会社での査定結果を見て、その平均くらいが相場となるのでそれを参考にしましょう。

ただし土地の形状や使用のしやすさ、地盤調査などの安全面でも相場よりも下がることもあるので心得ておきましょう。

取得費とは?内訳表

取得費とは、不動産を購入(取得)した時に発生した費用の合計です。

主に以下のもののほか、必要に応じて発生するものもあります。

名称金額備考
土地、建物の購入価格購入した当時の金額 
振込手数料金額に応じる金額が大きいため銀行振込を使う場合が多い
登記費用土地1筆、建物1棟あたり1,000円所有権の移転
司法書士報酬6万~8万円程度(購入時の金融状況にもよる)登記の手続きを司法書士経由で行った場合に発生
固定資産税・都市計画税の精算金所有権が移転した日を基準として日割り計算主に買主が支払う
住宅ローン諸費用借入金額に応じる借入日~使用開始日までに使った分は取得費としてみなされる。 開始日以後の金額は取得費にならないので注意

取得費が不明の場合どうする?

取得費は通常、購入時の売買契約書や領収書などから合計し、できるだけ購入時の実際の数字に近い形で行います。
これを実額法といい、多くの場合で使用されている計算方法です。

しかしかつては現在ほど書類が重要視されていなかったこともあり、古い土地や家屋を取引する際に契約書や領収書がないというケースも未だに見つかることもあります。

よく聞く事例が、先祖代々受け継がれてきた土地で何十年も前にもさかのぼるため取得費が分からなくなったというものです。

その場合は以下の数式を使って表すこともできます。

譲渡収入金額×5%

この数式を使う方法を、実額法に対して概算法と呼びます。

譲渡費用とは?内訳表

譲渡費用とは、不動産を売却する時に発生した費用の合計です。

主に以下のもののほか、必要に応じて発生するものもあります。

名称金額相場、計算式備考
仲介手数料上限金額 =売却価格×3%+6万円+消費税不動産会社を介して取引した際の成功報酬。 直接買取の場合は発生しない。
各種税金(印紙税や登記費用など) 印紙税は売買契約書貼付用 登記費用は所有権移転による住所変更時のもの。 なお抵当権抹消の登記費用分については、譲渡費用とみなされないので注意
土地の測量費用30万円程度売却時、必要に応じて境界線を明確化させた場合に発生
建物の解体費用150万円程度建物を取り壊したときに発生
こざかな生徒
こざかな生徒

取得費は土地を買った時、譲渡費用は売った時と考えると分かりやすいですね。

そうです。不動産取引と考えると難しいようになりますが、通常の物品の売買と同じです。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

古着を売る時で喩えれば、服を新品で買った時の金額、商品として売る前にするクリーニングや発送するときの送料みたいなものでしょうか。

そうですね、分かりやすく考えると同じようなものです。

クジラ先生
クジラ先生

所得税と住民税の税率について

所得税の税率は、売却不動産を所有していた期間によって変わります。その基準は5年間です。

短期譲渡所得
(所有期間が5年以下の場合)
39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
長期譲渡所得
(所有期間が5年を超える場合)
20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

土地売却の流れとスムーズに行うコツ

土地などの不動産売却には、少なくともおおむね3ヵ月程度はかかると考えられています。
さらに個人で取引することは相当の知識がない限り不可能なので、ほとんどの場合は不動産会社に仲介を依頼する形になります。

土地売却の主な流れについて、スムーズな取引ができるためのおすすめポイントも併せて説明しましょう。

1.査定を受ける

まず売買価格の概算を出すために、不動産会社に依頼します。
この時の注意点は複数の会社で算出してもらうこと、1社だけで決めてしまうとそこよりも査定額の高い会社があった場合に後悔することになります。

土地や建物には定価というものがなく、不動産会社が社内の実績からくるデータに基づいて算定されるので、会社によって査定価格に差が生まれます。

おすすめなのはインターネットの一括査定、一度にまとめて早く査定額が分かるので忙しい人には最適です。

2.媒介契約

査定額から依頼する不動産会社を決めた後、媒介契約を結びます。
媒介契約とは、売主が不動産会社に物件の売買業務を託すために行われます。

不動産会社は依頼を受けた物件の買い取り希望者を募って宣伝(媒介)し、売主と買主の間に立って成約まで結びつけます。

媒介契約の形態には、複数の会社に依頼できる一般媒介契約と、一つの会社に絞る専任媒介契約とおおまかに2種類の形態があります。

ポイントはこの形態のうちどちらにするか、通常の物件の場合は専任媒介契約人気エリアで買取希望者が多数いるような物件の場合は一般媒介契約がおすすめと言われています。

3.販売活動

売買価格を決定した後、広告などを出して宣伝活動を行います。
併せて購入希望者が現地に見学に訪れるようになります。

物件をできるだけすっきりときれいにさせておくことで、買取希望者への印象も良くなることが期待されます。

4.売買契約の締結

買取希望者が現れ、具体的な意思が確認されたら成約、買主との間で売買の手続きを行います。

この時に、仲介手数料を半額支払うこともあるので事前に準備していると安心です。

5.決済、引き渡し

売買契約の時に決めた日にちに引き渡しの手続きがあります。
この時に仲介手数料の残額(または全額)、所有権移転、抵当権抹消などの登記費用が発生することもあります。

登記手続きを司法書士に依頼する場合はその報酬もあるので注意しましょう。

6.確定申告

土地を売却した年の翌年、2月15日から3月15日までの間に確定申告を行います。
売却して利益が出た場合はもちろんですが、損失が出た場合では逆に税金が還付される可能性があるのでぜひ申告することを勧めます。

こざかな生徒
こざかな生徒

売却の流れを知ることもまた、税金の支払いがいつあるかを把握できますね。

不動産を売るための費用は、仲介手数料など少しまとまった金額のこともあります。手続きの中で支払いのタイミングを知っていると、お金の出入管理が予測できるのでぜひ知っておきましょう。

クジラ先生
クジラ先生

特例や節税対策

こざかな生徒
こざかな生徒

それにしても土地を相続するには、相続税や売却のための所得税など、かなり税金がかかりますね。

確かに土地を持つと納税の義務は発生します、しかし売却する際に節税の期待できる特例もあります。

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

それはいいですね。

ただしどんな場合でも使えるわけではありません。特例の少ない土地売却の場合、どうすれば税金対策できるのか、気になりますね。

クジラ先生
クジラ先生

土地売却で使える特例措置はあるのか?

不動産を売却した場合、売買価格から諸費用や税金を引いて利益があると税金の支払義務があります。
しかし相続をした人にとって相続税と所得税の過重負担が大きすぎるということで利用できる特別控除があります。

それはマイホームを売却したときに使う3000万円控除、通常の不動産売却で生じた費用の他に3000万円を追加で引くことができます。

つまり計算式にすると

譲渡所得=譲渡価格-取得費-譲渡費用-3000万円

となるので、事実上税金が課されないケースも増えてきます。

通常の土地取引ではこの特例は適用されませんが、相続空き家がある場合は一定の条件を満たした場合に限り、3000万円控除の対象になる可能性が生まれます。

3000万円控除を受けるための条件

相続家屋売却の際に3000万円控除を受けるためには、以下5つの一定の条件があります。

  1. 相続開始の直前まで被相続人の居住用に使われていたこと
  2. 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること
  3. 区分所有建築物(マンションなど集合住宅)以外であること
  4. 相続開始の直前まで被相続人以外に住んでいた者がいなかったこと
  5. 相続から譲渡までの間、事業用、貸付用または居住用に使われていなかったこと

特に2.のような古い戸建住宅の場合は、十分に確認する価値があります。
相続家屋の3000万円控除が生まれた背景には、増え続ける空き家問題に対する特例措置という考え方があります。

放置空き家は景観を損ねる、さらに浮浪者や犯罪者などの住処になる事例がある他、2.に見られる旧耐震基準の建物は倒壊するリスクが高いなど安全面にも大きな影響があります。

しかし家を取り壊すには多額の費用がかかること、また少子高齢化によって相続人不在のまま放置されるケースが増えてきました。

そこで、危険な古い住宅をできるだけ減らすべく、持ち主が家を取り壊すハードルを下げるために作られたのがこの特例措置なのです。

注意点

古い家屋を減らして空き家問題に貢献するためにもできるだけ積極的に行いたい相続土地売却ですが、いくつか注意点もあります。

せっかく5つの条件を満たしていても適用外になっては元も子もありません。

1.事業、賃貸などに一切使用しない

家屋の条件は全て揃っていても、以下のことをしてしまうと控除は一切使えなくなります。

それは事業用や貸付に使っていること、具体的には賃貸物件として貸す、改装してお店を開く、建物を取り壊した後でも駐車場として運用するなどです。

これらは全て収入が発生するので、税金軽減の救済という趣旨から外れてしまいます。
しかも一度でも活用してしまうと3000万円控除は使えないので、十分注意しなければなりません。

2.期限がある

相続家屋の3000万控除の利用には期限があります。
適用期限は2016年4月1日~2023年12月31日までの間に売却をすることが条件です。

なおこの制度は当初は2019年12月31日までの期限だったものが延長されていることから、今後の税制改正の内容によって変更する可能性もあります。

3.老人ホームに入居していた場合

相続家屋には相続開始直前に被相続人が住んでいたことが条件となっていますが、最近では被相続人が老人ホームに入居しているケースも大変多くなっています。その場合には特別なルールが適用されます。

そのための条件は以下の3つです。

  • 被相続人が要介護認定を受け、相続開始の直前まで入所していたこと
  • 被相続人が老人ホーム入所時から相続開始直前まで居住用として使用していたこと
  • 事業用、貸付に使用されていないこと

家を取り壊して売却した方がいい理由とは?

相続空き家を売却する際にも、マイホームで使用する3000万円控除は事実上使えることが分かりました。

しかし実際には使用できる条件が煩雑で厳しいため、家屋を取り壊して売却する例が多くなっています。

というのも、実は譲渡する場合にもさらなる条件が課されているからです。

  • 譲渡できる人は、相続又は遺贈(死因贈与を含む)により取得した相続人本人であること
  • 譲渡価格が1億円以下
  • 譲渡時において、家屋が現行の耐震基準であること
こざかな生徒
こざかな生徒

あれ?建設は昭和56年(1981年)5月31日以前、つまり旧耐震基準のはずなのに・・・。

よく気が付きましたね。これこそが、家を取り壊したほうがいい理由の要点なのです。

クジラ先生
クジラ先生

相続空き家で3000万円控除が適用される条件は旧耐震基準、その一方で相続するためには新耐震基準でなければならないとは、大変な矛盾であることが分かります。

そこでどうしているかと言うと、家を取り壊すのが手っ取り早いのです。

その理由は費用が安くなるから、古い耐震基準を現行のものにするための工事費用の相場は500万円程度、一方建物の解体費用の相場は150万程度です。

なおかつ、500万円して耐震リフォームを行ったと言って必ず買い手がつくとは限らない上、用途の範囲が広い更地の方が不動産会社としも扱いやすいからです。

家を取り壊して売却した方がいい理由とは?

10年以上所有していた場合はさらなる特例措置もあり?

3000万円控除を使っても譲渡所得がプラスになっていれば課税対象になってしまいます。
しかし取り壊した家屋を10年以上所有していた場合は、軽減税率の特例措置によって税率が低くなる可能性があります。

税率は6000万円を基準に以下の通りです。

6000万円以下の部分14.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%+住民税4%)
6000万円超の部分20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

6000万円を超えない物件の場合、通常の長期譲渡所得20.315%と比較すると6%低くなり、金額に直すと意外に大きいので見逃さないようにしましょう。

なお注意点は以下の2つです

  • 6000万円とは3000万円控除後にさらに残った金額
  • 確定申告が必要

節税対策の鍵は取得費にあり

こざかな生徒
こざかな生徒

マイホーム売却の3000万円控除が、相続空き家でも受けられるようですが、実際には少しハードルが高いですね。

3000万円控除が使えると確かに大きいですが、調べる項目も多いので少し大変です。ここではもう少し身近な節税対策について紹介しましょう。

クジラ先生
クジラ先生

3000万円控除が使えなくても諦めてはいけません。
相続空き家や土地を売るための節税対策はまだあります

その鍵を握っているのが取得費、これをできるだけ明確にされることがより現実的で確実な節税にも期待できます。

ここで売却した時の税金についてもう一度おさらいしてみましょう。

  1. 譲渡所得=譲渡価格(売買価格)-取得費(購入時の費用)-譲渡費用(売却時の費用)
  2. 取得費が不明の場合は譲渡価格×5%にて算出

上記を踏まえたうえで、土地を3,500万円で売却、譲渡費用300万円、所有期間は9年の場合で計算してみます(3000万円特別控除は使わないとする)。

取得費が判明している場合

(ここでは仮に、3000万円で購入したとします)

税額=(3500万円-3000万円-300万円)×20.315%

約40万円

取得費が不明の場合

税額={3500万円-(3500万円×5%)-300万円}×20.315%

約614万円

このように、取得費が判明していないだけで、実に10倍以上の金額差があるので驚きますね。

こざかな生徒
こざかな生徒

え?これは大変!何としても取得費ははっきりさせないと!

そうですよ。取得費を判明させるために適した証明書類について紹介しましょう。

クジラ先生
クジラ先生

取得費を出来るだけ明確にさせるには

不動産売却で節税するには取得費の判明が肝心、そのためには購入時の売買契約書や領収書など、金額の証明となる書類を集めることです。

しかしどうしても契約書や領収書が見つからない古い土地の場合は、以下の内容を含むものを可能な限り集めてみましょう。

  • 土地を購入した時の価額として支払った金額が明らかに証明できる通帳や帳簿の履歴
  • 住宅ローンの支払い状況が分かる通帳コピーなど
  • 住宅ローンを契約した時の契約書のコピー、ローンの償還表等
  • 全部事項証明書の乙欄で抵当権の設定金額の状況が判明しているもの
  • 購入当時の不動産業者の、価格が記載されているパンフレット等

確定申告の際にこれらの書類を集め、購入時の状況説明と契約書紛失の理由を書いた申述書と共に提出し、税務署に判断されます

相続土地や空き家を少しでも高く売る方法も検討しよう

不動産を相続すると相続税、さらに売却すると所得税と住民税がいつもよりも多くかかります。
不動産取引にはこのように税金がたくさんかかるので、それを抑える節税対策を取ろうとしがちです。

しかし税金は国に払うお金のため、どうしても安く抑えるには限界があります
そこで、手元に残るお金を少しでも多くするさらなる現実的な方法として、不動産をできるだけ高く売るポイントについても解説しましょう。

こざかな生徒
こざかな生徒

確かに、税金対策はどんなときにも使えるとは限りませんね。

節税を考えるのはもちろん大切ですが、どうせ税金を払うことにはなるので、最終手段として不動産高額売却法を解説しましょう。

クジラ先生
クジラ先生

土地を高く売るための9か条

相続した土地が少しでも高く売れるために心がけたいこと9か条についてまとめました。

1.境界線ははっきりさせること

境界線が明確されていることは土地売却の基本中の基本、その理由は安心して購入できるから、境界線が定まっていないと隣家とのトラブルの元になる場合があります。

一例を挙げると災害でブロック塀が破損した場合など、この時に境界が不明瞭なことでどちらが損害賠償を支払うかでもめたケースもあります。

それを証明する書類は確定測量図、入手先は所在地の最寄りの法務局です。

民々境界と官民境界
2.土壌汚染の調査をしておくこと

境界線の明確化と同じく、購入の安心材料のためには土壌汚染の調査を完了させておくことも重要です。

以下の施設があった土地の場合は、特に注意しましょう。

  • 病院
  • 工場
  • 焼却施設
  • クリーニング店
  • ガソリンスタンド

調査の依頼先は不動産会社に連絡し、必要と判断されたら提携する調査会社を派遣します。
費用相場は5万5千円くらいから、売却時の譲渡費用にも含めることができます。

3.地盤調査をする

自然災害、特に地震が多い日本では地震に強い家を買うのはもはや当たり前です。
建物については耐震基準が新しいなど比較的分かりやすいですが、土地に関しては地盤調査がそれを証明します。

地盤の強さは耐震基準に匹敵するくらい重要視されています。
調査の依頼は専門の業者で、費用相場は5万円くらいからです。

4.販売価格は1割高設定で

どんなものでそうですが高すぎる価格設定では売れませんが、安すぎても利益が出ません。
不動産物件にもそれは言え、特に土地取引の場合は最終的に10%程度値引きして成約されるケースが少なくありません。

土地売却の場合はそれを見越して、希望価格よりも1割程度高くした金額設定にすることが勧められます。

5.古い家の解体は少し待つ

古屋付きの土地よりも更地の方が用途に幅があって売れやすいのが土地売却の基本のように言われています。

しかし、必ずしも当てはまらないケースもあります。
たとえば買取希望者が、駐車場を建てて人に貸して収入を得るなど事業目的ではない場合や、中古物件を探している場合です。

最近では古い家をリフォームしたり、またはリノベーションという方法もあり、新築よりもお得に購入する方法も注目されています。
そうすれば解体の手間が省け、さらに費用を浮かせられますね。

6.売るタイミングを見計らう

不動産売却にはタイミングは大変重要、不動産価格が上がっている時期は売りやすくなり、反対に下がっている時期ではベテランの業者でも苦戦するくらいです。

おすすめされるのは国土交通省のホームページから不動産取引価格情報検索で調べる方法、近隣の土地の実勢価格(実際に売買された価格)の推移を見れば、今がタイミングかどうかがある程度分かります。

7.狭い土地は面積を増やして売る

土地を購入して建物を建てる場合、建築基準法に則って行われます。
その基準とは幅4m以上の道路(公道)が敷地と2m以上接していること、これを満たしていない場合は建設できません。

このような場合は隣地を買い増しして基準に合うようにすると売れやすくなります。

8.広すぎる土地は分割する

7.の例とは逆で、土地の面積が大きすぎても使いにくい場合があります。
一般的な戸建て住宅の敷地面積は40~80坪くらいなので、それ以上広くなると返って使いづらいだけでなく、広い分価格も上がります。

この場合は適切な大きさに分割して売ることで、需要が期待できるようになります。

9.優良な不動産会社を見つける

不動産取引は法律などの専門知識が必要で大きな金額が動くので個人で売買するのは一般人では不可能、そこで不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。

説明が分かりやすい、こちらの話をしっかり聞いてくれる、販売計画が明確にある、このような特徴を良い不動産会社は持っています。

また査定は1社に絞らず最低でも3社くらいは比較検討すると、相場により近い取引が期待されます。

こざかな生徒
こざかな生徒

税金を出ていくお金とすると、入ってくるお金をより多くすることも確かに必要ですね。

不動産取引はこうしないといけないルールがあるようで、実は融通が利く部分もあります。高く売りたい場合はできる限りのあらゆる工夫をしたいですね。

クジラ先生
クジラ先生
土地を高く売るための9か条

まとめ

親から受け継いだ不動産を相続し売却すると、相続税と売却による税金がかかります。
土地や建物を売却して利益があると所得税と住民税がさらに課税されます。

節税の鍵は購入した時の費用である取得費を明確化させる、3000万円控除などの特例を可能な限り利用する、そして少しでも高く売却することが大切です。

相続した土地の売却でかかる税金の全てと特例や節税対策をまとめました
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