不動産売却前に知っておきたい権利書とは?紛失した時の対処法のまとめ | 鯨鑑定士の不動産売却
不動産売却前に知っておきたい権利書とは?紛失した時の対処法のまとめ

不動産売却前に知っておきたい権利書とは?紛失した時の対処法のまとめ

2020.9.17

2020.9.17

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自分の所有している大切な土地建物やマンションなど、不動産の権利書をどこに保管しているでしょうか

不動産を売却する時になって、「土地や建物の権利書はどこにあったっけ?」と慌てて探す方も少なくないようです。
また権利書を紛失してしまい「第三者に不動産を勝手に売却されてしまうのでは?」「不動産を自分で売却できないのでは?」と心配される方もいます。

ではそもそも不動産の権利書とはどのような書類で、どんな役割があるのでしょうか?
万が一権利書を紛失してしまった場合どうすれば良いのか、不動産売却はできないのか、権利書の再発行は可能なのか、権利書に関する上記の情報を紹介していきます。

不動産の権利書とはなに?

テレビ番組やドラマでは、親の不動産財産を相続する時に、不動産権利書を取り合うという場面が出てくることがあります。
そのため権利書と聞くと、紙媒体の不動産所有証明書というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
まず不動産の権利書とはどんなものなのか、最初に理解しておきましょう。

権利書の呼び方は複数ある

権利書という言葉は、不動産売買を行う時にたびたび使用されるため、ほとんどの方は耳にしたことがあるはずです。
しかし権利書とは不動産業界における通称であり、正式な名称ではありません。
正しくは、登記済権利証です。
そのため不動産売却の時に、権利書ではなく不動産の権利証もしくは登録済証と言われることもあります。

どの呼び方が正しいかと言えば、登記済権利証という正式な固有名詞がある以上、権利書よりも権利証や登記済証の方が正しい言葉と言えます。

とはいえ、権利書という言葉自体は不動産業界で長い間使用されているため、権利書と権利証と登記済証のどれを使っても問題ありません。

権利書の呼び方

  • 権利書
  • 権利証
  • 登記済証
  • 登記済権利証
こざかな生徒
こざかな生徒

テレビで権利書という単語を聞いていたので、不動産権利書だと思っていました!

ほとんどの方は権利証ではなく、権利書だと思っておられるようですね

クジラ先生
クジラ先生

正式な名称は登記済権利証ですが、権利書という呼び方が業界では通称になっているので、そのまま使用しても問題ありませんよ

クジラ先生
クジラ先生
登記情報提供サービスの「一時利用」

権利証の役割とは?

では権利書の役割とは、どのようなものでしょうか?
不動産登記をする時、法務局に登記申請書を提出します。
登記が完了すると、法務局の登記所は提出された登記申請書の副本に登記済の印を押して返却してくれます。
これを登記済権利書として扱います。

つまり登記済権利書の表題は登記申請書(副本)であり、そこに法務局の登記済の印が押されている書類という事です。
不動産登記をした後は、この登記済権利証を大切に保管しなければなりません。

ではこの登記済権利証(法務局の登記済印の押された申請書副本)を所有している人に不動産の権利が帰属するのでしょうか?
テレビのドラマの影響が非常に強いため、土地建物の権利書を所有している人物に不動産の権利が帰属すると思っておられる方も多いようです。
しかし実際には、不動産の権利証を所有している人物に不動産の権利が帰属するわけではありません

不動産の権利を持っているのは、法務局に登録された登記人であり、登記済権利証を所有している人ではありません。
権利証の提示によって、不動産の権利を所有しているのが自分であることを証明する、つまり本人証明する事ができます。
これが不動産の権利証の役割です。

しかし登記済権利証が、絶対的な書類というわけではありません。
不動産売却の時には、登記済権利証に加えて実印や印鑑証明などの書類が必要になります。
ですから権利証さえあれば、マンションや土地建物といった不動産を売却できるわけではありません。
あくまで不動産を所有しているのが自分であるという本人証明のために権利証が必要であるという意味です。

とはいえ登記済権利証は非常に重要な書類であるため、売却を考えているかに関わらず、きちんと保管をしているか定期的に確認するようにしましょう。

しかし平成17年3月以降に不動産を取得した方は、登記済権利書を持っていないという方がほとんどでしょう。
「もしかして権利証を紛失してしまったのでは?」と不安になっている方もいるかもしれません。
もし手元に不動産の登記済権利証がない場合、登録識別情報通知書という書類を探してください。
登録識別情報通知書が登記済権利書の代わりになります。

引き続き、登録識別情報について紹介していきます。

登録識別情報

先ほどご紹介したように、比較的最近になって不動産を取得した方は、権利書を持っていない可能性があります。

平成17年3月7日に改正された不動産登記法が施行され、それ以後は登記済権利書が発行されなくなりました。

仮に手元に権利書があるなら、不動産取得は平成17年3月6日以前という事になります。

登記法が改正された後、登録済権利証の代わりに発行されるようになったのが登記識別情報通知書という書類です。
ですから、もし不動産関係書類を保管している場所に権利証がなかったとしても慌てる必要はありません。

まず登記識別情報という書類があるか探し、きちんと保管されていれば問題ありません。

登記識別情報とは、数字とアルファベットを組み合わせた12文字の符号で構成されています。
この文字列は不動産を売却した時など、登記情報を変更する時に必要となるパスワードのようなものと理解されると良いでしょう。

不動産を購入する時に、外部からは見えないように目隠しがされた登記識別情報通知書が発行されます。

書類の形で発行されますが、重要なのは12文字の文字列である登録識別情報なので、書類がなかったとしても法務局登記所で文字列を提示できれば本人証明ができます。

通常、登録識別情報通知書は、司法書士によって封がされた封筒に入っており、不動産購入後は封を開けずそのまま保管するよう勧められています。

登記識別情報通知書には、以下のような情報が記載されています。

  • 不動産番号
  • 受付年月日
  • 登記の目的
  • 登記名義人
  • 登記識別情報(12文字の符号)

この中で特に重要になるのは、目隠しシールが貼ってある12桁の文字列である登記識別情報です。
文字列を第三者に知られる事は、以前の不動産登記済権利証を盗まれるのと同じほどの危険性があるため、秘密保持には細心の注意を払う必要があります。

こざかな生徒
こざかな生徒

登記済権利証の代わりに登記識別情報通知書が発行されるようになったんですね

登記識別情報通知書は、権利証と同じ役割がある非常に重要な書類であるため、失くさないように注意しましょう

クジラ先生
クジラ先生

ここまでで、土地建物など不動産に関する権利証についてご紹介してきましたので、整理しておきましょう。

不動産権利書の呼び方 呼び方
権利書通称
権利証略称
登記済証略称
登記済権利証正式名称
登記識別情報最新の名称

不動産の権利書は、異なる通称や略称で呼ばれるものの根本的な違いはなく、すべて不動産売却に必要な登記済権利証を表しています。

平成17年3月以降は、権利証は登録識別情報に変更されたと覚えておきましょう。
しかし不動産業界には、登録識別情報をそのまま権利証もしくは権利書と呼んでいる方もいます。

不動産の権利書

では、仮に不動産登記済権利証や登録識別情報通知書を紛失してしまったら、不動産を売却したり、不動産の登記情報を変更することはできないのでしょうか?

引き続き、登録識別情報通知書などの権利証を失くしてしまった場合について紹介していきます。

権利書を紛失した場合はどうする?

不動産を売却する時、権利証や登録識別情報は必要書類に含まれています。
売却を検討する時になって、きちんと保管されていなかったことに気付いた場合、不動産所有の証明ができないのではないかと不安を感じられるかもしれません。
ここからは権利書や登録識別情報を紛失してしまった場合、どうすれば良いのか紹介していきます。

権利書を紛失した場合、所有権が失われるのか

前述した権利書の部分で紹介したように、土地建物など不動産の権利は、権利書や登録識別情報を所有している人に帰属しているわけではありません。

あくまで法務局に登記されている登記人が不動産の権利を所有しているので、権利書の紛失=所有権の失効という事にはなりません

とは言え権利書を紛失した場合、第三者が勝手に移転登記してしまうのではと心配される方もおられます。
確かに不動産の権利書や登録識別情報通知書は重要な書類であるため、不安を感じられることは理解できます。

しかし仮に第三者が権利書を拾った、もしくは盗んだとしても、移転登記や抵当権の設定登記を行うためには、権利証に加えて印鑑証明と実印による本人証明も必要になります

ですから印鑑証明と実印を適切に管理しているなら、権利書を紛失したとしても、勝手に不動産移転登記される危険性は低いでしょう。

しかしながら権利証や登録識別情報を取得した人物が、登記名義人のふりをして不正な登記を行う可能性は0%ではありません。

ですから権利書や登録識別情報を紛失したり、第三者に盗まれた場合は、不正登記防止申出制度や登記識別情報失効の申出制度を利用することも賢明な方法です。

不正登記防止申出制度を利用

権利書や登録識別情報を探したものの見つからず、だれかに不正登記される具体的な危険がある場合、不正登記防止申出の手続きを行うことができます。

法務局の登記所に行き、権利書を紛失し不正な登記に利用される可能性があることを伝え、不正登記防止申出の手続きを行いましょう。

不正登記防止申出は、申出から3か月間有効となり、犯罪によって不正な登記がされないように防ぐことができます。

ただし登記移転申出は、あくまで不正な登記(犯罪)の防止であり、すべての登記移転を禁止する申出ではないことは覚えておきましょう。
また不正登記防止の有効期間は3か月限定であるため、長期に渡って不正登記を防止する場合は、3か月ごとに手続きを行う必要があります。

手続きは原則として本人が行う必要がありますが、やむを得ない理由がある場合は、代理人による手続きも可能とされています。
権利証の紛失が犯罪によるものである可能性があるなら、すぐに登記所で相談してみるのも良い方法です。

登記識別情報失効の申出制度

登録識別情報を第三者に盗み見られてしまった(犯罪)場合などは、登記識別情報を失効させる申出を登記所に行うこともできます。

不動産登記規則第65条に明記されている申出制度であり、登記の名義人や相続人の申出によって登録識別情報は失効します。

つまり紛失したり、盗まれた登録識別情報の12桁の文字列は申出によって使用できなくなるため、土地建物などの不動産を守ることができます。

権利書を紛失した場合

権利書の再発行は可能なのか?

権利証を紛失してしまった時は、「再発行できるはず」と思われるでしょう。

非常に残念ですが、権利証は不動産の所有者が変更された時にのみ発行される書類であり、いかなる理由があっても再発行はできません。

紛失したという理由であっても例外ではなく、再発行の申請をする方法はありません。

こざかな生徒
こざかな生徒

じゃあ、権利証を紛失したので登録識別情報を発行してもらうことはできるんですか

権利証のみの所有で、一度も登録識別情報を発行したことがなかったとしても、権利証から登録識別情報に切り替え発行することはできません

クジラ先生
クジラ先生

不動産売買によって登記移転が行われる時だけ、登録識別情報が法務局から発行されます

クジラ先生
クジラ先生

登録識別情報通知証も権利証は意味合いが同じであるため、たとえ書類が異なっていたとしても、権利証から登録識別情報へと変更するために再発行はできない規則になっています。

例えば、洪水などの自然災害が発生し、権利証や登録識別情報通知書が紛失したという正当な理由があったとしても再発行はできません

では権利証や登録識別情報が紛失してしまうと、不動産を売却することはできないのでしょうか?

権利書を紛失すると移転登記ができないの?

法律(不動産登記規則第65条)によって登録識別情報を失効させることが許されていることを先ほど紹介しました。

つまり不動産に関わる法律でも、不動産権利証や登録識別情報が紛失する可能性があることに言及しているわけです。

ですから不動産売却によって移転登記を行う際に権利証や登録識別情報の提出が義務づけられているものの、紛失など正当な理由があれば代替措置を利用することができます。

もう一度、権利証や登録識別情報の目的を確認しておきましょう。
権利証や登録識別情報を所有している登記人は、自分が登記人本人であることを権利書や12桁の符号によって証明することができます。

つまり権利証や登録識別情報がない状態でも、登記人であることを証明(本人証明)できれば、不動産を売却し移転登記を行えるということです。

代替措置は以下のような方法になります。

  • 事前通知による本人確認
  • 司法書士など資格者による本人確認
  • 公証人による本人確認

引き続き、権利書や登録識別情報をなくした方が、不動産売却をする方法を紹介します。

権利書がないまま不動産売却をする手順

権利証や登録識別情報を紛失した場合でも、不動産売却ができるようにする3つの代替措置について紹介していきます。

代替措置手続き場所費用
事前通知法務局登記所無料
資格者による本人確認司法書士事務所など数万~数十万
公証人による本人確認公証役場数千円

本人確認の方法1 事前通知制度

権利証や登録識別情報を紛失した状態で、マンションや土地建物などの不動産を売却するために登記申請を行う際は、登記申請書に権利書(登記済証)などの書類を提出できない理由を記載します。
登記所の登記官は、本当に登記名義人が本人の意思で登記移転の申請が行われたのか確認するため、登記人の住所宛に本人確認の事前通知を送ります

事前通知の内容は以下の2点です。

  • 登記の申請があった旨
  • 申請の内容が真実である時は2週間以内にその旨の申出をすべき旨

上記の内容が、本人限定受取郵便で送られてくるため、通知を受け取り、2週間以内に申請が間違いない旨の申出を行うことで、登記官は登記人本人からの申請であることを確認できます。

事前通知制度は、不動産登記法第23条第1項によって定められており、登録済証や登録識別情報なしで登記申請できる正式な方法です。
しかし事前通知制度は郵送などの時間がかかり、その間不動産の所有権がはっきりしないため、金額の大きな不動産売却ではあまり使われない方法です。

仮に売主が2週間以内に事前通知に署名捺印をして法務局に返送しないと、登記官は手続きを進められなくなるため、返送を忘れてはいけません。

なお事前通知制度を利用した本人確認は手数料がかからないため、売主にとってメリットがあります。
しかし買主にとっては登記移転に時間がかかることと、登記移転の確実性という面で不安があるため、事前通知制度を敬遠する方もいます。

そのため実際の不動産売却では、次の2つの本人確認方法が使われることが多くなります。

司法書士など資格者による本人確認

マンションや土地建物の権利証(登録済証)や登録識別情報がないまま不動産を売却する時、通常選択される本人確認の方法は、資格者による本人確認です。

事前に司法書士や弁護士事務所を訪問し面談を行い、売却予定の不動産の所有者本人であることを確認してもらいます。
司法書士や弁護士の作成した本人確認書類が法務局に提出されれば、登録済証などの本人確認書類がなくても登記移転が可能になります。

ただし資格者による本人確認を行うためには、通常数万円の手数料が必要であり、状況によっては数十万円になることもあります。

売り主にとっては大きな経済的な負担となりますが、買主にとっては移転登記が速やかに開始されるため安心感があります。
そのため権利書のない不動産売却で、最も選ばれているのは資格者による本人確認です。

なお司法書士や弁護士に本人確認書類を用意してもらうためには、以下のような資料が必要です。

  • 免許証など写真付きの本人確認書類
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 不動産売買契約書や固定資産税納付書など

上記のような書類を持って、司法書士事務所や弁護士事務所を訪ねれば、有資格者による本人確認ができ、権利書がなくても不動産を売却できます。

公証人による本人確認

公証人役場で、公証人によって本人確認を行ってもらう方法もあります。

公証人による本人確認は、司法書士など資格者による本人確認よりも費用が安いというメリットがあります。

司法書士による本人確認の費用が数万円なのに対し、公証人による本人確認は数千円であるため約10倍も手数料が異なります。

デメリットは、自分で公証人役場を探して訪ねなければならない事です。

公証役場で行う本人確認には、以下のような資料が必要になります。

  • 運転免許証やパスポートなど写真付きの身分証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書

上記の資料を準備することで、公証人役場にて本人確認情報を作成してもらう事ができ、権利証がなくても不動産売却を行えます。

不動産売却の直前に紛失に気付くと時間がかかる

不動産登記法第23条第1項では事前通知制度による本人確認について触れられており、不動産登記法第23条第4項では資格者や公証人による本人確認について記載されています。

ですから仮に権利証(登録済証)や登録識別情報を紛失したとしても、不動産売却を行うことは可能です。

最も一般的なのは、司法書士による本人確認ですが、注意しなければならない点もあります。

資格者が本人確認情報を法務局に提出することで、高額な不動産の移転登記が行われるため、司法書士は非常に慎重に本人確認を行います。

ですから不動産売却の直前になって権利証の紛失に気付くと、本人確認に時間がかかるため、登記申請に時間がかかってしまいます

また仮に事前通知制度を利用するのであれば、法務局から本人限定郵便が送られてくるまでの時間や返信までの時間が必要となるため、やはり移転登記には時間がかかります。

そのため不動産売却を検討している場合、早めに権利証の有無を確認しておきましょう。

売却直前になってから登録済証や登録識別情報がない事に気付くと、契約自体に大きな影響が出てしまう可能性もあるので注意してください。

不動産売却の流れ期間

相続する不動産の権利証がない場合

相続するマンションや戸建てなどの不動産の権利証を探してみたものの見つからない場合、紛失してしまっている可能性もあるでしょう。
不動産の所有者が存命であれば、先ほど紹介した3つの方法で本人確認ができるため、不動産は問題なく売却する事ができます。
しかし不動産の所有者がすでに亡くなっており、さらに権利証が紛失してしまっている場合は本人確認ができないため、3つの方法を使用することができません。

権利証がなく、本人確認ができない相続する不動産は、売却することができないのでしょうか?

不動産を相続する場合、権利証は原則必要ない

相続する不動産を売却する場合、最初に行わなければならないのは相続登記です。
不動産の売買では大きな金額が動くため、原則として権利証(登録済証)を法務局に提出する必要があります。

しかし相続登記は、被相続人(亡くなった方)の死亡と同じタイミングで自然発生するものであるため、登記人がだれかを証明するための権利証は必要ありません

相続登記に必要となる書類は以下のように定められています。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍・現戸籍
  • 被相続人の住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 不動産取得者の住民票
  • 不動産固定資産評価証明書
  • 登記申請書

さらに登記申請書を作成する際には、登記事項証明書に記載されている正確な情報が必要であるため、登記事項証明書も取得しておきましょう。

上記の必要書類の中に、不動産の権利証(登録済証)が含まれていないことに気付かれたと思います。
繰り返しになりますが相続登記の場合、権利証は必須項目に入っていないため、上記の書類を準備すれば相続登記を行い、登記上の名義人を変更できます。

上記の書類に加えて、相続する状況によって以下の書類が必要になります。

不動産相続の状況追加必要書類
遺書による相続遺言書
遺産分割協議に従った相続遺産分割協議書(法定相続人全員の署名押印)と相続人全員の印鑑証明
法定相続に従った相続相続関係説明書と相続放棄申述受理通知書(相続放棄者がいる場合)

不動産相続の状況に従って上記のような書類を添付して、不動産の所在地を管轄する法務局に提出すると相続した不動産の名義人が変わります。

相続登記の注意点は、早めに行う事です。
被相続人が亡くなってから、いつまでに相続登記を行わなければならないという規則は定められていません
そのため相続人の中には、相続登記を遅らせてしまう方もいらっしゃいます。

相続登記には期限が定められていないものの、相続登記に必要な被相続人(亡くなった方)の書類には期限があります。
例えば被相続人の住民票や戸籍の附票には、5年という保存期間が設定されており、期限が経過してしまうと取得ができなくなります
相続登記に必要な被相続人の住民票を取得できないと、相続登記の過程がより複雑になってしまいます。

ですから相続登記は早めに行い、登記移転を行いましょう。

相続登記で権利証が必要な状況

先ほど紹介したように、相続登記に権利証(登記済証)の提出は原則必要ありません。
しかし以下のような状況では、相続登記を行う際に法務局から権利証の提出を求められることがあります

  • 被相続人(亡くなった方)の住民票が取得できない
  • 不動産登記記録の住所と被相続人の最後の住所がつながらない場合
  • 不動産の所有権が遺贈によって第三者に移る時

上記のような状況では、原則として必要ない権利証の提出が、相続登記の際に求められることがあります。

とはいえ、上記のような状況であっても、法務局によっては相続人全員の上申書や印鑑証明を提出することで、権利証の提出が免除されることもあります。
個々の状況で、権利証の提出が例外的に求められるかどうかは、最終的に法務局の登記官によって判断されるため、事前に専門家に相談する方が良いでしょう。

相続登記が終了すると新しい権利証が発行される

相続する不動産を売却する計画であるものの、権利書がなくて困っているという方もいるかもしれません。
この場合、権利証を入手することができるのでしょうか?

相続登記によって登記移転が正確に行われると、登録識別情報通知書(権利書)が発行されます。

ですから相続したマンションや土地建物を改めて売却する時には、新しい権利証が手元にあるため、相続時に権利証がなかったとしても問題ありません。

まずは確実に相続登記を行って、新しい権利書を入手するようにし、適切な場所に登録識別情報通知書を保管するようにしましょう。

相続する不動産の権利証がない場合

権利証を保管する場所はどこがおすすめ

これまで紹介してきたように、仮に権利証が紛失してしまったとしても、不動産売却を行うことはできます。
しかし権利証や登録識別情報を紛失してしまうと、不動産売却時に余計な出費が増えてしまうことになります。
ですから分かりやすい安全な場所で権利証を保管するのが一番です。

不動産の権利証を保管する場所としてよく選ばれているのは、銀行の貸金庫です。
自宅の金庫に保管しておくのも良い方法ですが、火災や水害によって権利証が紛失してしまう可能性もあります。
銀行の貸金庫であれば、万が一にも紛失の恐れはないため、一番安心できるかもしれません。

もし自宅で権利書を保管する場合は、どんな事に気を付ける必要があるでしょうか?

最も重要なことは、マンションや土地建物の権利証を実印や印鑑カードと一緒に保管しないことです。

仮に権利証や登録識別情報が盗まれてしまったとしても、実印と印鑑証明がなければ、登記移転を行うことはできないからです。
重要なものだからという理由で、不動産の権利証と実印、印鑑カードやマイナンバーカードとパスワードを一緒に保管してしまっている方もいます。

このすべてが揃っていると、第三者であっても本人の成りすましが可能となり、法務局で移転登記を行うことができてしまいます

ですから権利証と実印、印鑑証明を取得できるマイナンバーカードや印鑑カードを自宅で一緒に保管しないように注意しましょう。

こざかな生徒
こざかな生徒

権利書はとても重要な書類で、大切に管理しなければいけないことがよく分かりました

万が一紛失したとしても、第三者に不動産を売却されないために、実印や印鑑カードやマイナンバーカードを権利書と一緒に保管しないようにしてくださいね

クジラ先生
クジラ先生

今回は、不動産の権利書とは何かという点についてご紹介しました。

一般的に権利書として知られる書類は、正式には登録済権利証と呼ばれ、最近では登録識別情報という12桁の符号に変わりました。

不動産売却を検討しておられる方は、この登録識別情報が手元にあるかをご確認ください。

不動産の権利書は、不動産登記されている登記人が本人確認をするために使用します。
権利書を所有している人に不動産の権利が帰属するわけではないため、万が一紛失したとしても、権利書だけで登記内容を変更することはできません

しかし不動産の権利証や登録識別情報は非常に重要な書類であるため、紛失に気付いた時は、すぐに不正登記防止申出の申請を行い、第三者が不正に移転登記できないようにしましょう。

さらに権利書は登記人の本人確認の書類であるため、仮に権利書を紛失してしまったとしても、司法書士などによって本人確認が行われれば不動産を売却することもできます。
不動産売却に強い司法書士を探すことも重要になりますが、司法書士一括検索サイトなどを利用すると、本人確認書類を作成する手数料などを簡単に比較することができるでしょう。

不動産売却前に知っておきたい権利書とは?紛失した時の対処法のまとめ
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