未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする条件は?手続き方法や注意点 | 鯨鑑定士の不動産売却・投資

未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする条件は?手続き方法や注意点

2020.10.22

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未成年者が所有している土地や戸建て、そしてマンションを何らかの事情で売却しなければいけないことがあります。
成人と違って未成年者には法的な制限が多いため、不動産を売却する際にどのような手続きをしたらよいのか分からないかもしれません。

未成年者が土地や戸建て、またはマンションなどの不動産売却をするときに満たさなければいけない条件を調べてみました。
手続きの方法や用意すべき書類は何なのか、未成年者の不動産売却の注意点と合わせて説明していきます。

こざかな生徒
こざかな生徒

未成年者が土地や戸建て、そしてマンション売却をする場合、何か特別な条件がありますか

未成年者が不動産売却をするときに知っておくべき条件について説明します

クジラ先生
クジラ先生

未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする条件とは? 

未成年者は成人ではないため様々な制限が課されています。
もし未成年者が何らかの事情で土地や戸建て、もしくはマンション売却をする場合にも何らかの制限が課せられるのでしょうか。
法的に認められる売却をするために必要な条件について考えていきます。

未成年者の定義 

未成年者が不動産売却ができる条件について考える前に、未成年者の定義について理解しておきましょう。

民法で未成年者とは、年齢20歳未満の人のことです。
しかし2022年4月1日からは、民法が改正され未成年者は18歳未満になるので気をつけてください。

覚えておきたい点として、年齢が20歳未満でも、結婚をすると法律上は成年として扱われます
民法の中で、未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす、と定められているからです。

年齢が20歳に達していなくても結婚しているのであれば、成年になるので成人と同じ条件で不動産売却ができます

未成年者が不動産売却をする条件

未成年者は単独で不動産を売却することができません。

民法では未成年者の法律行為に制限が課されているからです。
法律行為とは、何らかの権利が発生したり消滅したりする行為で、所有権の発生と消滅が含まれる不動産売却が該当します。

未成年者が不動産売却という法律行為をするときには、以下に挙げる条件のうちどちらかを満たしていなければなりません。

  • 未成年者本人が売主となり、法定代理人の同意を取得して売却する
  • 法定代理人が売主となり、代理として売却する

法定代理人が同意して未成年者自身が不動産売却するか、法定代理人自身が売主になって売却するかしなければなりません。
いずれにしても法定代理人がいるかいないかが未成年者の不動産売却に必要な条件です。
法定代理人についての詳細は次の項で説明します。

上記の条件を満たして売却する際の契約当事者と要件を表にまとめました。

未成年者が売却する条件不動産の売主要件
未成年者本人が売主となり、法定代理人の同意を取得して売却未成年者本人法定代理人の同意が必要
法定代理人が売主となり、代理として売却する法定代理人未成年者の同意は必要なし
法定代理人だけで売買契約が可能

未成年者が法定代理人の同意を得て売却する場合、売買契約の当事者には未成年者本人がなります。
契約を法的に成立させるには法定代理人の同意が必要です。
もし法定代理人の同意がなければ、後から契約が取り消しされる可能性があるので気をつけてください。
売買契約をする際に法定代理人の同意を書面で提出しなければなりません。

法定代理人が売主となり代理として売却する場合には、売買契約の当事者は法定代理人になります。
未成年者の同意がなくても売買契約を締結できますが、法定代理人としての資格を証明するために自分の戸籍謄本や住民票などの書類を提出しなければなりません。
法定代理人が親権者であれば戸籍謄本にその旨が記載されていますし、未成年後見人であれば戸籍謄本にその情報が載せられています。

未成年者が土地や戸建て・マンション売却するときに法定代理人は必ず必要? 

法定代理人は未成年者の不動産売却でどうしても必要になります。
なぜなら、未成年者は判断能力が未熟で本人に任せると損をするリスクがあると見なされ、法律で保護されているからです。
売却をするには未成年者をサポートする成人の法定代理人が必要です。
誰が法定代理人として未成年者をサポートできるのでしょうか。

親がいる未成年

親がいる未成年者の法定代理人は、親権者と呼ばれる親になります。

未成年者の父親も母親も健在で、婚姻関係になるなら両方の親が親権者として認められます。
どちらかが死亡しているなら健在の親が親権者になります。

両親が離婚しているのであれば、父親か母親のどちらか一方にしか親権は認められません。
通常、子供のいる夫婦が離婚するときにどちらを親権者になるか協議されているので迷うことがありませんが、まれに後から変更されるケースがあります。

また未成年者と一緒に住んでいる親が親権者ではないケースもあるので気をつけてください。
親が離婚しているときには法的な親権者が誰なのかを戸籍謄本で確認しましょう。

親がいない未成年

親がいない未成年者の法定代理人は誰になるのでしょうか。
両親が死亡しているケースや事情があって両親のどちらも親権者になれないケースで、誰が法定代理人になれるのか考えてみます。

親権者がいない未成年者には、法定代理人として未成年後見人が選任されます。

未成年後見人に選ばれるのは以下のような人たちです。

  • 祖父母
  • 叔父叔母
  • その他の親族
  • 弁護士
  • 司法書士

上記のような人たちが誰も未成年者の周りにおらず、未成年後見人が選べないときには家庭裁判所が選任します。
未成年後見人の選任を家庭裁判所へ申し立てて裁判所に選んでもらうのです。

不動産の売却は、未成年後見人が選任されてからでなければ行えません。

未成年者の法定代理人として選任される人に関する情報をまとめておきます。

未成年者の法定代理人として選任される人該当するケース
親権者両親が健在か、離婚していて片親が親権者のケース
未成年後見人親権者がいないケース

親が健在の場合に法律上は親権者が自動的に法定代理人になりますが、親権者がいないケースでは家庭裁判所が未成年後見人を選任します。

不動産売却における未成年者の法定代理人

法定代理人と代理人の違い  

不動産売却の場合、法定代理人と代理人が混同されやすいので違いを理解しておきましょう。
法定代理人とは法律によって代理権が与えられている人で、法定代理人自身で不動産売却や売買契約の締結ができます。
一方、代理人とは売主本人が何らかの不都合によって売買契約を結ぶ場に立ち会えないので代理権が与えられた人のことです。

代理人が持つ権利は売主が作成した委任状に記載されている範囲内にとどまっていて限定的です。

法定代理人が自分の意志で不動産売却ができるのに対し、代理人は委任状の範囲内だけでしか動くことができません。

不動産売却において法定代理人の意思は未成年者本人の意思と見なされます。

こざかな生徒
こざかな生徒

未成年者が不動産売却をする際に法定代理人が必要なんですね

はい、そうです。親権者がいるかいないかで誰が法定代理人になるかが変わるという点を覚えておきましょう

クジラ先生
クジラ先生

未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする手続き方法を紹介 

未成年者が土地や戸建て、またマンション売却をする手続き方法を調べていきます。
主な手続き方法は2つあります。

  • 法定代理人の同意を得る
  • 法定代理人が手続きする 

一つ目は法定代理人の同意を得て、未成年者が自分で不動産売却をする手続き方法です。
未成年者が親権者か未成年後見人による同意書を作成し、売買契約書に未成年者自身が署名して手続きを進めていきます。

親権者が父親と母親の場合には、2人からの同意書が必要になることを覚えておいてください。
どちらか一方の同意書だけでは不十分です。

同意書に記載される内容は、法定代理人が特定の物件を売却することに同意した旨と、法定代理人の署名捺印です。

二つ目は、法定代理人自身が未成年者に代わってが手続きをする方法です。
法定代理人には法律によって認められた代理権があり、未成年者の同意を得ずに不動産売却を行うことができます。
そのため法定代理人が売買契約書に署名するときに、未成年者本人の同意書を添付する必要はありません

未成年者の不動産売却手続きで必要な書類

未成年者が不動産売却の手続きをする際に用意しなければいけない書類を4つのケースに分けてチェックしましょう。

  • 親権者が同意している場合
  • 親権者が代理の場合
  • 未成年後見人が同意している場合
  • 未成年後見人が代理の場合

まず親権者が同意している場合に必要な書類を見ていきます。

書類名概要
同意書親権者が同意していることを証明する書類
戸籍謄本親権者としての資格を証明する書類
住民票、印鑑登録証明書親権者と未成年者の両方の書類が必要
本人確認書類親権者と未成年者の両方の書類が必要

同意書はすでに説明した通り、両親が親権者なら両方の同意書が必要となります。
片親だけが親権者の場合には、一方の同意書だけで十分です。

戸籍謄本には親権者であることが記載されているので、未成年者の法定代理人であることを証明するために必要になります。

住民票と印鑑登録証明書は、親権者と未成年者の両方の書類を用意しなければならず、印鑑登録をしていないのであれば、まず役所で印鑑登録をしてください。
注意したいのは未成年者が印鑑登録するには15歳以上でなければならない点です。
15歳未満だと印鑑登録ができないため、親権者が同意する手続き方法での不動産売却は難しくなります。

どうしても不動産売却をしたいときには、親権者が代理として手続きする方法で行ってください。

次に親権者が代理として手続きをする場合に必要な書類を紹介します。

書類名概要
戸籍謄本親権者としての資格を証明する書類
住民票、印鑑登録証明書住民票のみ、未成年後見人と未成年者の書類を用意
本人確認書類親権者と未成年者の両方の書類が必要

親権者が代理として売却手続きをする際には、未成年者の同意書と印鑑登録証明書は不要です。
しかし住民票と本人確認書類は親権者と未成年者のものが必要です。

未成年後見人が同意した上で、未成年者本人が不動産売却をする際の必要書類は以下の通りです。

書類名概要
同意書未成年後見人が同意していることを証明する書類
戸籍謄本未成年後見人としての資格を証明する書類
住民票、印鑑登録証明書未成年後見人と未成年者の両方の書類が必要
本人確認書類未成年後見人と未成年者の両方の書類が必要

まずは未成年後見人が不動産売却へ同意していることを証明する同意書が必要です。

戸籍謄本は、未成年後見人が法定代理人として資格があることを証明するために必要ですが、1つ注意点があります。
家庭裁判所から未成年後見人として選任された後、役所へ選任されたことを届け出なければ戸籍謄本には未成年後見人になった事実が記載されません。
選任されたからといって自動的に戸籍謄本へ記載される訳ではないことを覚えておいてください。
未成年後見人として選任されたら役所へすぐに届け出るようにしましょう。

住民票と印鑑登録証明書は、未成年後見人と未成年者の分を揃えなければなりません。
印鑑登録をしていないのであれば事前に済ませておいてください。

本人確認書類も両人のものを用意しておかなければなりません。

最後に、未成年後見人が代理として売却手続きをする場合に必要な書類をチェックします。

書類名概要
戸籍謄本未成年後見人としての資格を証明する書類
住民票、印鑑登録証明書住民票のみ、未成年後見人と未成年者の書類を用意
本人確認書類未成年後見人と未成年者の両方の書類が必要

未成年後見人として資格を有していることを証明するために戸籍謄本を用意してください。

不動産売却に未成年者本人が同意していることを示す同意書を作成する必要はありませんが、住民票と本人確認書類は未成年者と未成年後見人それぞれのものを用意しなければなりません。

印鑑登録証明書は未成年後見人の分だけでよいです。

通常の不動産売却手続きに必要な書類 

続いて通常の不動産売却手続きのために用意しておかなければならない書類についても確認しておきましょう。

未成年者が不動産を売却する全てのケースで必要になる書類です。

書類名目的
登記済権利証登記名義人の変更に必要
間取り図と測量図物件情報をチェックするため
固定資産税納税通知書課される固定資産税を試算するため
建築確認済証、検査済証建築基準を満たしていることを証明する書類
地積測量図、境界確認書正確な土地の大きさを把握するため
マンションの利用規約マンションの規約を買主に伝えるため

登記済権利証は不動産の所有者が誰であるかを証明するための書類で、登記名義人を変更するために必要です。
不動産を売却するときに買主へ登記済権利証を渡し、移転登記を済ませることで所有者の変更ができます。
売却したい物件の登記が完了したときに発行されている書類です。

不動産の権利書とは

紛失してしまったときには法務局に申請し、代替書類として発行される本人確認資料を利用してください。

間取り図と測量図は、買主へ物件の情報を正確に伝えるために必要です。
もし間取り図を紛失しているなら当時の不動産会社へ相談してください。
測量図は登記所の窓口で申請すると再発行してもらえます。

固定資産税納税通知書は、固定資産税を試算して売主と買主で分担するために必要です。
毎年1月1日時点の不動産の所有者へ発行される書類で、4月頃に役所から所有者の住所へ送られます。
紛失した場合の再発行はできませんが、役所へ申請すると固定資産税評価証明書を発行してくれるので代替書類として使ってください。

建築確認済証や検査済証は、戸建ての売却時に必要となります。
物件が建築基準法に基づいて建築されたことを証明する書類です。
家を取得したときに発行されている書類で再発行することはできません。

紛失した場合は、代替書類として使える台帳記載事項証明書を役所の建築指導課で入手してください。

土地の売却で必要になるのが地積測量図や境界確認書です。
地積測量図や境界確認書には土地の面積や境界線に関する情報が記載されており、正確な土地の大きさを把握したり適正な売却価格を設定したりするのに役立ちます。

マンションの売却時に用意しておく書類はマンションの利用規約です。
毎月の管理費やペット飼育の可否、または駐車場の情報などマンションを利用するのに知っておくべき情報が書かれています。

未成年者が土地や戸建て・マンションの売却手続きをする流れ 

未成年者が土地や戸建て・マンションの売却手続きをする流れについて説明します。
売却手続きの流れは大まかに7つのステップへ分けられます。

  1. 法定代理人の選任
  2. 情報収集
  3. 一括査定依頼
  4. 不動産会社と媒介契約
  5. 販売活動開始
  6. 買主と売買契約
  7. 決済と引き渡し

法定代理人の選任を終わらせた後は、不動産を売却する一番良いタイミングはいつかを考えたり相場はいくらかを調査したりします。
情報収集が終わった段階で一括査定依頼をし、複数の不動産会社の見積もりを比較してください。

不動産会社を選ぶ際には、未成年者が関係する仲介案件の実績が豊富な会社を見つけるようにしましょう。

見積額や提供サービスが良い不動産会社が見つかったのであれば、媒介契約を結びます。
不動産会社による販売活動がスタートした後、買い主が見つかったら売買契約を締結します。

法定代理人と未成年者がよくコミュニケーションを取り、双方が納得して契約を締結するようにしてください。

最後に買主が代金を支払い、鍵の引き渡しをして売却手続きは終わります。

未成年者が法定代理人の許可を得ずに不動産売却する結果を検証 

未成年者が不動産売却をするには法定代理人が必要となりますが、仮に法定代理人の許可を得ずに売却したらどうなってしまうのでしょうか。

法定代理人の同意を得ずに売却しても法律的に違反になる訳ではありません。
しかし、親権者や未成年後見人が同意しなければ契約の取消しが可能です。

つまり法定代理人の許可を得ずに未成年者が行う契約は、後から無効になる可能性がある契約になるのです。
反対に後から親権者や未成年後見人が同意すれば契約の取消しはできなくなります。

続いて、契約後の取り消しが可能なケースと不可能なケースについて見てみましょう。

法定代理人に取り消しされるケース

未成年者が勝手に行った売却契約を法定代理人が後から取り消すことができます。

法定代理人には未成年者が単独で行った法律行為を取り消せる権限があります。

売買契約を締結するときに不動産名義がすでに変更されていても、契約が取り消された時点で元の所有者へ登記が戻されます。

売却代金は買主の元へ返還しなければなりません。
未成年者が売却代金の一部を使っていた場合、手元に残っている代金だけを返還します

本人が取り消すケース

未成年者本人が後から契約を取り消すことも可能です。

法定代理人が取消権を行使しない場合、未成年者が一度締結した契約を無効にすることができます。
契約が無効になった後は登記が元に戻り、売却利益も買主へ返還します。

本人が取り消せないケース

通常は未成年者本人が後から売買契約を取り消すことができますが、本人でも取り消せないケースがあります。

  • 営業行為として契約したケース
  • 詐欺行為で契約したケース
  • 結婚しているケース

未成年者が法定代理人の管理の下、営業行為として不動産売却をしたケースでは本人が後から取り消すことはできません。
例えば、法定代理人が許可して未成年者が不動産事業を行っており、事業の一環として不動産売却をしたときには後から取り消すことができないので気をつけましょう。

未成年者が買主を騙して売買契約をしたケースでは後から取り消すことができません
あたかも自分に契約を締結する権限があるかのように振る舞って買主を騙して契約を成立させたときには、取り消しが認められないことがあります。

親権者や未成年後見人の同意書を偽造し、法定代理人の同意があるかのように契約したときにも取消権の行使ができません

未成年者が法定代理人の許可を得ずに行う契約は取り消す事が出来る場合と出来ない場合がある

未成年者でも結婚しているのであれば、成人として扱われます。
結婚した未成年者が売買契約をしたなら成人による契約と見なされ、後から未成年者の取消権を行使することはできません。

取消権について注意すべきポイント

未成年者が勝手に締結した売買契約を無効にするには時効があります。
時効を過ぎると後から契約を取り消すことができなくなるので気をつけましょう。
取消権の時効の内容は以下の通りです。

事例時効
法定代理人が未成年者による勝手な契約の事実を知っている事実を知ってから5年
法定代理人が未成年者による勝手な契約の事実を知らない不動産売却から20年

法定代理人が未成年者による勝手な売買契約の事実を知っているなら、事実を知ってから5年経つと取消権を行使できなくなります。
事実を知らない場合は、売却が成立してから20年経過すると取消権が消失します。

未成年者が法定代理人の許可無く行う売買契約は、買主にとって非常に不安定な契約です。
いつ法定代理人や未成年者によって取り消されるか分からないですし、買主が支払った代金の一部を未成年者が使い込んでいれば残りの部分しか返却されないからです。

そこで買主は売買契約を結ぶ際に未成年者の法定代理人へ催告権を行使できます。

催告権とは、法定代理人に対して未成年者がしようとしている契約を、取り消すか追認するか決めるよう求められる権利です。

一ヶ月以上の期間を決めて法定代理人へ催促し、返事がなければ追認されたものとして取引を進められます

追認された契約は後から取り消すことができません。

こざかな生徒
こざかな生徒

法定代理人ではなく特別代理人が未成年者の取引には必要だと聞いたことがあります

特定のケースでは特別代理人が選任されることがあるんですよ。次に特別代理人について説明しておきましょう

クジラ先生
クジラ先生

未成年者が特別代理人を選任して土地や戸建て・マンションの売却をすべきケース

特別代理人とは、未成年者と法定代理人の利益が相反するケースで家庭裁判所が選任する代理人のことです。

例えば、未成年者の子供が法定代理人である親へ不動産を売却する場合に特別代理人が必要になります。
子供が親に不動産を売却するケースでは親が自由に価格を設定する可能性があり、子供の利益にならないことがあるからです。

極端な例ですが、未成年者が所有している売却相場が3000万円の物件を、親が100万円で売るように子供に指示して売買契約を結んだとします。
これでは未成年者が不利益を被り、法定代理人が本来果たすべき未成年者を保護する役割を果たしていません。

反対に子供が相場以上の価格を設定して親に買わせようとすると親が不利益を被り、公正な取引が行われなくなります。

未成年者による特別代理人が必要なケース

こういった未成年者と法定代理人の間に利益相反のケースが生じたときに特別代理人が選任されるのです。

特別代理人が不要なケース  

未成年者と法定代理人が契約の当事者であっても特別代理人が不要なケースがあります。
それは未成年者と法定代理人が共有して不動産を所有し、共に売却するときです。

両者が共同所有者として売却するケースでは利益相反が生じないので特別代理人を選任する必要はありません。

特別代理人を選ぶ方法  

特別代理人を選ぶには家庭裁判所での手続きが必要です。

未成年者が住んでいる地域を管轄する家庭裁判所へ親権者が申し立てをして特別代理人の選任手続きを行います。
手続きに必要な書類は以下の5つです。

  • 申立書
  • 法定代理人の戸籍謄本
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 特別代理人候補者の住民票と戸籍附票
  • 利益相反を証明する資料

申立書は家庭裁判所で入手できます。
未成年者と法定代理人である親権者か未成年後見人が用意する戸籍謄本は全部事項証明書でなければなりません。
特別代理人候補者の場合は住民票と戸籍附票の両方が必要です。

未成年者と法定代理人の利益相反を証明する資料とは、抵当権を設定する不動産の登記事項証明書や遺産分割協議書などです。
選任手続きの申し立てには、未成年者1人につき800円の申立手数料が必要です。

特別代理人に誰がなれるの? 

特別代理人には誰がなれるのでしょうか。
未成年者の不動産売却において利益相反の対象にならない人であれば誰でもなれます

特別代理人になるための法的な資格は特にないので、未成年者の叔父や叔母などの親戚が選任されることがあります。

しかし以下の条件に該当する人は特別代理人になる資格がありません。

  • 未成年者
  • 破産者

未成年者や破産している人は特別代理人になれません
過去に破産していても今は復権を得ている人は特別代理人になれます。

近親者に候補者がいないときには、弁護士や司法書士へ依頼することもできます

未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする注意点を知っておこう 

未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする際に知っておきたい3つの注意点について解説します。

  • 確定申告を忘れずに
  • 扶養控除がなくなる
  • 未成年者が共有名義人の場合 

未成年者が法定代理人とともに売却契約を締結した後、確定申告をするのを忘れないようにしてください。
不動産を売却した翌年の2月15日から3月15日までの間に手続きをしましょう。
確定申告をしないと税金の特例を利用できなくなって損することがあるので注意してください。

不動産売却後に確定申告をしない場合

未成年者の確定申告は法定代理人が行いますが、納税は未成年者当人の財産から行います。

未成年者が不動産売却をすることで、親権者の所得税や住民税の扶養控除がなくなる可能性があります。
売却した年の1年間の所得が高額になるため、扶養控除が外れるケースがあるので気をつけてください。

一般的に健康保険から外れることはありませんが、一応役所へ確認しておくと安心でしょう。

未成年者が共有名義人の場合にも注意しなければなりません。
親から相続した不動産を未成年者と一緒に共有していて売却するときには法定代理人の同意が必要となります。
法定代理人の同意を得ずに売買契約を締結すると、後から取り消されることがあるので注意が必要です。

ただし共有名義人の中に未成年者の親などの親権者がいれば、他に法定代理人を立てる必要はありません。

こざかな生徒
こざかな生徒

売却手続きが終わった後にホッとして確定申告を忘れないようにしなければいけませんね

確定申告をしないと損をすることがあるので気をつけてください

クジラ先生
クジラ先生

まとめ

未成年者が土地や戸建て・マンション売却をする条件は、法定代理人がいることです。
法定代理人が同意をして不動産売却をするか、法定代理人が売主となって売却をするなら有効な売買契約を締結できます。
未成年者だけで売買契約をすることは違法ではありませんが、後から法定代理人や本人が取り消せる契約しか結べません。
買主が安心できる売買契約を結ぶには法定代理人の存在が必要となります。

未成年者が売却手続きをする方法は、法定代理人の同意を得て行う方法と、法定代理人が売主となって契約する方法があります。
どちらの方法で手続きするかによって揃える書類が違ってくるので気をつけましょう。
売却後は、確定申告をすることや、親権者による扶養控除がなくなる可能性があることを忘れないようにしてください。

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