不動産売却でクーリングオフをする適用条件や利用例・契約解除の知識 | 鯨鑑定士の不動産売却

不動産売却でクーリングオフをする適用条件や利用例・契約解除の知識

2020.10.12

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不動産売買ではクーリングオフの制度があります。
あまり知られていませんが、条件を満たせば後から契約を白紙化することが可能です。

冷静に考えられる状況にないにも関わらず、不当に契約させられてしまった消費者を保護することを目的としています。
そのため適用条件がかなり限定的です。

当事者は誰なのか、契約場所がどこなのかという点が適用の可否を判断する上でのポイントとなります。
この点をきちんと押さえないと、どんなケースならクーリングオフできるのか判断が付きません。

そこで今回はクーリングオフの適用条件を詳しく解説します。
不動産売買契約を解除するための知識を取得しましょう。

不動産売買とクーリングオフにおける基礎知識

不動産はクーリングオフできるものという馴染みが、あまりないかもしれません。
不動産売買時のみの特別な契約を結ぶため、クーリングオフの対象に当てはまらないのではと考えてしまいがちです。

簡単には契約を解除できなさそうなイメージが強いでしょう。
まずはクーリングオフとは一体どのような制度なのか理解していきましょう。
また不動産売買におけるクーリングオフの基本的な考え方についても解説します。

そもそもクーリングオフとは?

クーリングオフの語源は頭を冷やすという意味から成り立っています。
英語で表すとcooling offです。
言葉通り、冷静に考え直す時間を消費者に与えるための制度です。

基本的に契約というのは、一度結んだ後一方的に解約することはできません。
双方合意の上でおこなう行為ですから、契約解除を申しだされてしまうと、相手方としては不利益を被ることになります。
よって解約したい場合には解約料が発生するなど、何等かのペナルティを課されることがほとんどです。

ただし場合によっては、消費者が契約内容を吟味する暇もないまま、契約を押し切られてしまうこともあります。
つまり特定のケースによっては、消費者が極端に弱い立場に立たされることがあるわけです。

そんな時にクーリングオフの制度を使うことで、一定の期間無条件で契約解除をおこなえます。
要は立場の弱い消費者を守るための制度です。

こざかな生徒
こざかな生徒

どんな契約でもクーリングオフができるという訳ではないんですね?

そうです。クーリングオフが適用できる契約は、限定的です

クジラ先生
クジラ先生

どんなものがクーリングオフできるの?

では具体的にどのような契約がクーリングオフできるのか、一例を下記に示します。

  • 電話勧誘販売
  • 訪問販売
  • 特定継続的役務提供(エステや学習塾など)
  • 連鎖販売取引(マルチ商法)
  • 訪問購入(業者が自宅を訪れ、商品を買い取るもの)
  • ゴルフ権
  • 業務提供誘引販売取引(内職斡旋など)

こちらから分かる通り、不意打ちに契約を進めてくるようなケースに関してはクーリングオフができるようになっています。

突然訪問されたりいきなり電話にて契約を迫ってくるなど、冷静に契約の必要性を考えにくい状況に追い込まれた時、本当は欲しくないものを焦りから買ってしまう危険性が高いです。

つまり無理に契約を迫り押し切られるような状況と考えると、分かりやすいかもしれません。
そのような状況が発生した時、消費者は著しく不利な立場となります。
一旦契約の必要性を考える猶予として、クーリングオフ制度は設けられているのです。

クーリングオフとは?

ちなみにクーリングオフの対象である取引の場合でも、3000円未満の購入に関しては適用されません。

不動産売買も条件によってはクーリングオフ可

クーリングオフが適用できるのは、あくまでも契約者が不意打ち的に押し切るような形で契約を進めてくるような場面のみです。

不動産は人生の中で一番大きな買い物と言っても過言ではありません。
絶対に失敗したくないでしょうから、消費者としては慎重に購入を検討するはずです。
冷静に考えた上で取引がおこなわれるでしょうから、クーリングオフができなさそうなイメージが沸くかもしれません。

しかし不動産売買も、条件を満たした場合にはクーリングオフができることになっています。

このことは宅地建物取引業法の第37条にて取り決めがあります。
法律によってきちんと明文化されているため、堂々とクーリングオフを使うことが可能です。

ただし前述のように、クーリングオフができるのは条件を満たした場合のみです。
そして不動産売却においてクーリングオフが適用できる条件は、極めて限定的となります。
どのような条件が設定されているのかに関しては、次の章にて説明します。

不動産売買時のクーリングオフは消費者保護のため

不動産売買におけるクーリングオフも、その他のクーリングオフと同様に消費者保護を目的としています。
消費者に話を強引に進め、知らず知らずのうちに不動産を契約させるという手口が話題となったことがあります。
巧みな話術を持つ不動産会社の術中にはまってしまうと、舞い上がってしまい冷静に考える余地を失うことは珍しくありません。

不動産取引は細かなルールが多いため、知識を持っている立場にある人間の方が有利です。
知識が少ない一般消費者にとって、不動産のプロとの取引は、少々注意が必要なことでもあるのです。

このように不動産は多額が動く買い物でもありますし、知識の豊富さが影響を与えてしまう商品です。
よって消費者が弱い立場に陥りやすいケースの場合には、きちんとクーリングオフができるようになっています。

逆に冷静に考えられる条件の元での契約時には、クーリングオフできません。
では、不動産売却のクーリングオフにおいてどのような条件が設定されているのか、深堀して見ていきましょう。

クーリングオフの適用条件は?判断基準を解説

不動産売却でクーリングオフが適用できるかに関しては、主に次の3点によって決まります。

  • 契約の当事者が誰なのか
  • 契約した場所はどこなのか
  • クーリングオフ適用期間を満たしているのか

この3点全てに合致するケースのみ、クーリングオフが適用できます。

繰り返しますが、クーリングオフができるのは消費者がかなり弱い立場に立たされる時のみです。

全てのケースにおいてクーリングオフ可としてしまうと、今度は逆に事業者の立場が守られません。
そのためクーリングオフ適用の判断基準が設けられていますので、もう少し詳しく見ていきましょう。

当事者は誰か

まず1つ目に考えることは、契約の当事者が誰になるのかという点です。
つまり誰から購入した不動産なのかというのがポイントになります。
買った相手次第では、クーリングオフが適用できません。

思い出して欲しいのが、不動産取引におけるクーリングオフとは不動産のプロから消費者を守るための制度であることです。
よって買った相手が、不動産のプロである時のみクーリングオフが適用されます。

そこで気になるのが、不動産のプロとは一体誰のことを指すのかという点でしょう。
答えとしては、宅地建物取引業者が該当します。

一般の不動産会社は宅地建物取引業の免許を取得しているはずですから、相手が不動産会社の時と考えておけばよいでしょう。

他にも以下の会社は、宅地建物取引業者になります。

  • マンション開発のディベロッパー
  • 戸建て分業者

また、法人でなく個人が相手の場合でも、宅地建物取引業を営んでいる人物であれば、プロということになります。

クーリングオフで守られるのは買主のみ

そもそもクーリングオフによって契約を解除できるのは、買った方のみです。
要は不動産の買主はクーリングオフできますが、売主は相手が誰なのかは関係なく、クーリングオフできません。
それはクーリングオフというのは消費者を守るための制度だからです。

不動産売却において、売る方は十分に時間をかけて検討したうえで売りに出すことを決めているはずです。
契約を結ぶ前の段階で、売ってもよいか考える余地は十分にあるでしょうから、消費者のように守られません。

売る相手が不動産会社の場合でも、売る方が焦って契約してしまう可能性は低いですし、それは自己責任の範疇です。

そのため相手が宅地建物取引業者であったとしても、自分が売主の立場である時には適用できません。

ただし訪問購入に関しては、売る方の立場がクーリングオフで守られます

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

それはなぜですか?

不意打ちで自宅に来られて、売るつもりのないものを安く買い取られてしまう手口のため、売る方が被害者に該当します

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

訪問購入における消費者という扱いになるんですね

売主が宅建業者で買主が個人の時に適用

ここまでをまとめると、クーリングオフが適用できるのは売主が宅地建物取引業者で買主が個人の時のみです。
基準が少し分かりにくいため、下記の表を参考にして下さい。

項目売主が宅地建物取引業者売主が個人
買主が宅地見物取引業者クーリングオフできないクーリングオフできない
買主が個人クーリングオフできるクーリングオフできない

この表から分かる通り、買主が個人ではなく宅地建物取引業者の場合は、たとえ売主が宅地建物取引業者でもクーリングオフは適用されません。
いわばプロ同士の取引ということになるため、責任としては平等と考えるからです。

また同様に個人同士の売買も、クーリングオフの適用外です。
つまり立場が同じ場合の取引に関しては、どちらか片方を守る必要はないと判断されます。

仲介による個人同士の売買は適用外

個人同士の売買時もクーリングオフは適用されません。

どういったケースなのかと言いますと、要は仲介にて売買するパターンです。
通常、不動産を売却する際には、不動産会社にサポートを依頼して第三者に売ることが多いです。
逆に中古物件を購入する場合も、仲介役となる不動産会社の紹介を経て買うのが一般的でしょう。

このように仲介というシステムは、不動産会社経由で売主もしくは買主を探す方法です。
不動産会社が関わってはいるけれども、あくまでも個人同士の取引が主体となります。

不動産の売買を個人で行うメリットとデメリット

つまり仲介にて中古物件を購入した際には、クーリングオフが適用されない可能性が高いです。

唯一相手が個人でも適用される場合があるとすれば、売主が宅地建物取引業を営む個人だった時です。
ただし、そのパターンは例外中の例外です。

よって不動産会社から購入したのではなく、仲介にて個人から買ったのであれば、まず適用されないと考えてよいでしょう。

契約場所はどこか

クーリングオフが適用されるかに関しては、誰から購入したかというのが1つ目のポイントになります。
そしてもう一つのポイントとして、契約場所がどこなのかというのも重要です。

つまり契約場所次第で、クーリングオフできるかどうかが変わります。

なぜ契約場所も関係があるのかと言いますと、場所によって冷静に判断できる状況にあるか違ってくるからです。
そのため、冷静に判断できるであろう場所で契約を結んだ場合には、クーリングオフできません。
一方、契約の必要性を十分に考えにくい場所での契約なら、クーリングオフができます。

クーリングオフという制度の目的は、弱い状況に追い込まれた消費者の救済です。
ゆえに場所にも一定の制限が設けられています。
たとえ個人ではなく不動産会社と契約した場合でも、契約場所の基準を満たしていなければクーリングオフできません。

クーリングオフできるかどうかを判断するためには、場所の基準も確認しなければならないため、どこで契約した場合には解約可能なのか見ていきましょう。
またこれを知っておくことで、今後不動産を購入する場合には、有利な契約場所を選べるようになります。

事務所などでの申し込みは適用外

クーリングオフが適用されない場所に関しては、宅地建物取引業法の第31条にて明文化されています。
簡単に以下の表にまとめます。

クーリングオフが適用できる場所の例クーリングオフが適用できない場所の例
自宅宅建業者の事務所
勤務先案内所
喫茶店マンションのモデルルーム
ファミレス仲介会社の事務所
販売会などで設置されるテント張り

判断基準は、落ち着いて考えられる場所かどうかです。

宅建業者の事務所など、こちらが赴くような場所の場合には、考える猶予があると捉えられるためクーリングオフできません。

逆に自宅や勤務先ならクーリングオフ適用となっているのは、急に宅建業者が訪れてくるパターンを想定しているからです。
いきなり来られた時は冷静に判断できる状況にはないと見なされるため、クーリングオフできます。

このように宅建業者の事務所や関連施設などで契約した場合は、売主が宅建業者であってもクーリングオフの適用ができないことになっています。

ただし展示場などに設置されるテント張りの申込所に関しては例外です。
テント張りの施設は落ち着いて判断が出来る場所に該当しないため、クーリングオフの対象になります。

自分で場所指定をした場合は?

場所の基準で知っておきたいのが、自分で場所を指定した場合のことです。

先ほどの表で、自宅や勤務先はクーリングオフ可能となっていました。
しかし自分で宅建業者に指示を出し、呼んだ場合は別です。
自宅や勤務先であっても、クーリングオフ適用外となってしまいます。
不意打ちではなく、余裕を持って契約に挑むことが出来る状況だからです。

ただし、ファミレスやカフェなどはこの限りではありません。
自分で場所指定をして呼んだ場合でも、クーリングオフが出来る場所に該当します。

不特定多数の第三者が大勢いる、雑音のある空間になるため、落ち着いて判断できないと見なされるからです。

こざかな生徒
こざかな生徒

少し複雑ですね

まとめると自宅もしくは勤務先を自分が指定した時は、クーリングオフできません。カフェやファミレスなら、自分が呼んだかどうかに関わらずクーリングオフができます

クジラ先生
クジラ先生
こざかな生徒
こざかな生徒

宅建業者がカフェやファミレスでの契約を渋るのは、このためなんですね!

そうです。クーリングオフされるリスクの高い場所での契約は、極力控えたいものでしょう

クジラ先生
クジラ先生

基本は購入申し込みをおこなった場所で決まる

クーリングオフの可否は、契約場所が絡んでいます。
さてここで確認しておかなければならないのが、契約とは一体いつの時点を指すのかです。

不動産購入にあたっては、購入申し込みをして売買契約を結ぶという2つの手順を踏みます。
どちらを契約した日として採用するのかと言いますと、購入申し込みをした日の方です。

そのため購入申し込みをクーリングオフが適用できる時期でおこなっていれば、問題ありません。

逆に売買契約の場所がクーリンオフ可の場所であっても、購入申し込みの場所が適用外ならクーリングオフの制度が使えないことになります。

例えばテント張りの案内所で購入申し込みをし、数日後自宅に来てもらい売買契約を結んだ場合は、クーリングオフの対象です。

一方で事務所で購入申し込みをし、テント張りの案内所で売買契約を結んだ場合ですと、クーリングオフは適用外となります。

もし購入申し込みをせず、すぐに売買契約を結んだ場合には、売買契約を締結した日で判断します。
とはいえ基本は購入申し込みをしてから売買契約を交わす手順になるため、いきなり売買契約を結ぶパターンは例外的です。

クーリングオフできる期間

当事者と場所の条件を満たしていれば、いつでもクーリングオフできるという訳ではありません。
無期限にクーリングオフ可となれば、あまりにも消費者の立場が強くなってしまいます。
事業者が不利になりすぎないよう、クーリングオフには期間が定められています。
よってクーリングオフ期間内に手続きをおこなう必要があるのです。

もし期間を1日でも遅れてしまえば、クーリングオフすることはできなくなります。
そのため契約を交わした後に解除したくなった場合には、なるべく早く動き出しましょう。
クーリングオフができる期間について、少し深堀して見ていきます。

書面で告知された日から8日以内

クーリングオフができる期間は、書面で告知された日から8日以内です。
通常は宅建業者からクーリングオフに関する説明があり、その際に書面を受け取ります。
もしくはクーリングオフについて記載された書類が、郵送にて自宅に届くケースもあるでしょう。

いずれにしろ、告知された日を1日目と数えます
0日目ではないため、注意してください

例えば夜遅くに郵便が届いているのに気付いたとしても、それは既に1日目としてカウントされます。
このようにして日数を計算し、8日以内であれば無条件でクーリングオフによって契約を白紙化することが可能です。

不動産会社が売主でテント張りなどで申し込みをおこなうなど、その他の条件を全て満たしていた場合でも、8日を過ぎればクーリングオフを使って契約解除することはできなくなってしまいます。

8日以内という日数に関しては、不動産売買のみに限らず、全てのクーリングオフに当てはまることです。
クーリングオフする上での基礎知識となるため、覚えておくとよいでしょう。

告知されなかった場合は?

クーリングオフできる旨は、書面にて告知をおこなうのが通常です。
ただし宅建業者が告知する旨を忘れてしまうこともあります。
また、告知された書面にはクーリングオフ可能な期間が書かれていないケースも考えられます。

このような場合には、通常8日以内と設定されている期限が少し変わります。
8日以内ではなく、契約履行が完了した時となります。

要は残代金の決済と、不動産の引き渡しを終えていれば、クーリングオフできません。
契約内容に異論がなく、完全合意したものと見なされるからです。

一方でまだ残代金決済と引き渡しを完了していないのであれば、そちらが終わるまでの間クーリングオフをすることができます。

ポイントとしては、契約履行が完了しているかどうかを判断基準とするため、登記の状態は無関係です。
たとえ所有権移転登記による所有者が自分になっている段階でも、残代金決済と引き渡しを終えていなければ、理論上はクーリングオフできることになります。

不動産売買におけるクーリングオフの適用条件

クーリングオフの意志は書面で示そう

クーリングオフをする場合には、契約から8日以内にその意思を示さなければいけません。
こちらの意志を発信すればよいため、相手方の意向に関わらずクーリングオフすることができます。

もし相手方からクーリングオフを拒否されたとしても、それは違法です。
堂々としかるべき対応を取りましょう。
消費生活センターなどに相談することをおすすめします。

気を付ける点として、こちらの意思表示はきちんと書類で示すことが望ましいです。

口頭でのクーリングオフが禁止されている訳ではないですが、きちんと意思発信した証拠を残さないことには証明できません。
クーリングオフしたかどうか取違が生じてしまうリスクもあるため、手間がかかっても書面で相手方に告知しましょう。

尚、書面でクーリングオフする際は、契約から8日以内にこちらから発送していれば大丈夫です。
たとえ相手方の宅建業者に到着するのが8日を超えていても、発信を8日以内にしているため問題ありません。

知っておくべきクーリングオフ解除方法

では具体的なクーリングオフの方法について説明します。
以下の内容を記載し、書面にて送ります。

  • 解約する旨
  • 契約日
  • 金額
  • 相手方である宅建業者の名称
  • 記入日

ポイントとしては、きちんと内容証明郵便で送り記録を残しておきましょう。

また、書面でなくハガキで送ることも可能です。
その際に記載する内容は、特に変わりません。
ハガキで送る場合には、特定記録郵便もしくは簡易書留を利用するようにしましょう。

いずれの場合も、相手方に内容を書き換えられるのを防ぐために、コピーを取って保管しておくのが望ましいです。
この方法にて提出さえおこなえば、相手方が拒んだとしてもクーリングオフできます。

余談として、不動産購入のケースでは当てはまりませんが訪問販売における購入時など、契約する際にクレジット契約を結ぶケースもあります。
その場合には、相手方である事業者以外にクレジット会社宛てにも、同様に書面を提出しておきましょう。

クーリングオフにおけるハガキや内容証明の雛形

クーリングオフが適用できない時に契約解除する方法は?

クーリングオフが適用となるパターンは、極めて限定的です。
不動産会社などの宅建業者が売主で、尚且つテント張りの案内所などで契約した場合しか、クーリングオフができません。
個人同士の売買や、不動産会社の事務所などで契約をした場合は、そもそも最初からクーリングオフの対象外となります。

とはいえクーリングオフ以外でも、契約解除できる道は残されています
クーリングオフよりも条件は悪くなりますが、解除できない訳ではありません。
どのような方法が残されているのか、見ていきましょう。

手付放棄する

不動産の売買契約を解除する代表的な手法は、手付放棄による解除です。

売買契約締結時には、どちらかの都合でキャンセルになった時の備えとして、手付金に関して定めているはずです。

買主は売主に手付金を支払うのですが、買主都合で契約解除する際にはこれを放棄しなければなりません。

逆に売主都合での契約解除ですと、買主に手付金を倍返しする取り決めとなります。
ただし売主は既に買主から手付金を預かっているはずですから、倍返しとはいえ実際に準備する金額が2倍になる訳ではありません。

このように、売買契約において契約を解除できる条件がすでに定められています。

自己都合で契約解除するとなると後ろめたさを感じるかもしれませんが、手付金さえ払えば解除してもよい決まりなのです。

そのために手付金を支払っていると言っても過言ではありません。

ちなみに手付金の金額設定に関しては、売主と買主双方の合意で決めることが可能です。
法律などによる縛りはないため自由に設定できますが、相場としては売買代金のおおよそ10%くらいに設定するケースが多いでしょう。
よって極端に安すぎたり高すぎたりする金額の場合には、相手方が渋るかもしれません。

話し合いをして合意を得る

売主と買主の双方が合意すれば、契約内容とは相違が生じても自由に解除できます。
お互いに納得さえすれば、手付金の支払いなども流せる可能性はあります
そのためまずは相手方に解除したい旨を伝えるのも一つの方法です。
ただしあまり現実的ではありません

既に売買する方向で話が動いていたものを白紙に戻すことになる訳ですから、相手方には迷惑をかけることになります。
迷惑を被った分、金銭を要求したいというのは当然の気持ちでしょう。
そのため違約金や手付金の支払いなしで解除できる可能性は、限りなく低いかもしれません。

とはいえ解除の話をもちかけるのは自由ですから、クーリングオフができない場合に試してみる価値はあるでしょう。

尚もし合意が得られた場合は、きちんとその内容を書面に残すようにしましょう。
後々捉え違いが生じる可能性もあるため、合意解除成立した旨を記載しサインを貰うことが重要です。

クーリングオフは適用可能?利用例をいくつかご紹介

ここまでクーリングオフの適用条件に関して紹介してきましたが、かなり細かく条件が設定されています。
ケースバイケースとなってくるため、果たしてクーリングオフができるかどうか迷うかもしれません。

実際のところ、不動産売買の契約をキャンセルしたい状況に出くわす機会など、滅多にあることではないです。
経験がない以上、クーリングオフ適用に関する判断が付かないのも、ある意味当然のことでしょう。
もし判断に悩んだ際には、消費生活センターなどの機関に相談するのも方法の一つです。

ここでは代表的な事例をいくつか取り上げます。
利用例を参考にすることで、クーリングオフ適用可否の判断材料にしてみて下さい。

【事例1】契約後にもっと気になる物件が出てきたけど、契約解除できる?

この場合は、まず売主が誰かという点がポイントになります。
売主が個人の場合は、個人間での取引ということになるため、クーリングオフできません。
契約解除をおこないたければ手付解除など、別の方法を試みることになります。

次に売主が宅建業者の場合です。
宅建業者と契約を交わしたのであれば、その場所がどこかによってクーリングオフできるかどうか変わります。
場所が事務所等である場合には、クーリングオフ不可です。

先ほどと同様に、契約解除するためには手付金を支払うなどの必要が出てくるでしょう。
契約場所がテント張りの案内所などの場合ですと、書面で告知されてから8日以内であればクーリングオフよって解除できます。
書面にてクーリングオフ適用期間がいつになっているのか確かめましょう。

【事例2】中古住宅を購入した買主から、クーリングオフしたいと言われてしまった

2つ目の事例として、中古住宅の買主からクーリングオフの申し出があった際に、応じる必要があるかどうか考えていきましょう。

売主である自分が宅建業者ではなく個人の場合ですと、個人同士の売買ですからクーリングオフ適用外です。
買主からの申し出に応じる必要はありません

クーリングオフの適用外である旨と、契約解除したいなら手付解除などの手段しかないことを伝えてあげましょう。

一方もしあなたが宅建業者である場合は、契約場所次第ではクーリングオフに応じる義務があります。
相手方の住宅や職場、ファミレスなどで契約を交わした場合ですと、クーリングオフしなければなりません。

こざかな生徒
こざかな生徒

相手方と上手く交渉できるか心配です

しっかりと根拠に基づいて伝えましょう。もし自分で対処するのが難しいのであれば、司法書士や弁護士に同席してもらうと安心です

クジラ先生
クジラ先生

まとめ

不動産売却でクーリングオフが適用できる条件を整理します。

まず売主が不動産会社など宅建業者で、買主が一般消費者の時です。
よって仲介での購入は、クーリングオフできません

また、もう一つの判断基準は購入申し込みをした場所です。
購入申し込みをした場所が、冷静に判断しにくい場所であれば、クーリングオフの対象となります。
例えば自宅や職場、ファミレスなどがあげられますが、自宅と職場に関しては自分で指定した場合は適用外です。

最後の判断基準として、クーリングオフ出来る8日以内に該当するか確認しましょう。
書面到着日を1日目とし、8日以内であればクーリングオフできます。

クーリングオフはこれら全ての条件を満たさなければ適用とならないため、不動産売買で利用できるケースは限定的でしょう。
契約解除をしたい際には、手付解除など別の方法も視野に入れておくのが現実的です。

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